現在、西洋医学では血栓が出来るのを防止するため、血小板の凝集を抑えることに重点が置かれていますが、血液サラサラ、ドロドロの観点からすれば、赤血球や白血球の変形能力を高めたり粘着性を軽減することも血栓の予防には効果があるはずです。 中医学では、血栓の予防に丹参(たんじん)という中国産のシソ科の植物が配合された「冠心II号方」という漢方薬をよく使いますが、実際、……
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第259回 「於血は、百病の源」
ホメオスターシス(恒常性)の働きで、血液中の成分や濃度はある一定の状態に保たれています。よく、新聞や雑誌の広告などで、血液が酸性やアルカリ性に変わるなどのおかしな表現を見かけることがありますが、血液は常に弱アルカリ性(PH7.4)を保ちながら静脈や動脈の中を粛々と流れています。 また最近、「血液サラサラ」とか「血液ドロドロ」などといった話題をいろいろなところ……
第258回 “悪玉の中の悪玉”
現代医学での病気の診断法は ここ20年ばかりで 驚くべき進歩を遂げましたが、 健康を評価する方法については 相も変わらず、体重が多い少ない、 血圧やコレステロールが高いとか低い などといった次元のレベルで 進歩が止まってしまい、 今や袋小路の状態です。 例を挙げれば、ほんの少し前までは コレステロールが多いと 心筋梗塞や脳梗塞になりやすいため、 長生きできな……
第257回 「女性が長生きする理由」
平均寿命において、女性が男性に比べて 10年以上も長生きするのは何故でしょう。 女性ホルモンの影響で 動脈硬化の進行度が遅くなるとか、 活性酸素の害に対して 女性の方が防衛能力が高い とかいった説がいろいろとありますが、 どれが一番正しいことなのか 未だに見当がつきません。 先日、ある本を読んでいて こんな考え方もあるのかと思ったのは、 「女性は、貧血だから……
第256回 肝臓にガンの転移が多いのは・・・
西洋医学には、 正常な細胞がガン細胞に変化するのは 分裂する場合だという考えが前提にあります。 そのため、小児になるまでに 必要な分裂を終える神経細胞や 心臓の筋肉をつくっている心筋細胞が ガン化することは、成人では まずほとんどないとされています。 また、成人の肝臓の細胞の場合、 通常では分裂を起こしませんが、 必要に応じて分裂を始めることができます。……
第255回 「三十年近く、薬局をやってきましたが」
もとはと言えば、私たちの身体は たった一つの受精卵が 分裂と増殖を積み重ねた結果、 得られたものです。 受精卵は、分裂を幾度もくり返しながら 様々な臓器や組織を作るために分化し、 臓器や組織が完成すると増殖を停止します。 しかし、遺伝子に異常が生じると、 細胞は無秩序に分裂や増殖をくり返し 自分勝手に際限なく 増え続けてしまうことがあります。 こうして変異し……
第254回 「ある日突然、ガンに」
西洋医学の面から考えれば、 私たちの身体の正常な細胞が ガン細胞に変化するのは 「分裂する細胞」だけだということが言えます。 また、正常な細胞が細胞分裂の過程を得ずに、 ある日突然、ガン細胞に変わることはありえません。 ですから、抗ガン剤の多くは、 細胞が分裂する段階の部分に作用し、 骨髄などの細胞分裂の盛んな部分は 抗ガン剤の副作用の影響を受けやすくなりま……
第253回 心臓のガン、聞いたことがありますか
暑い夏の日差しがようやく傾きかける 9月になると、私の住んでいる市町村では 秋の集団健康診断が一斉に始まります。 そのため毎年、私どものところでは、 秋は通常の季節と比べて 成人病に関する相談が増えてまいります。 そんな中で、ここ数年気にかかるのは、 肺ガンや大腸ガンの患者さんが 以前と比べてやけに多くなっていることです。 昔はそういう種類のガンはあまり多く……
第252回 今日で、最後になりますが
ここしばらく、日本に多く見られる 温泉の泉質について書いておりますが、 温泉は自然が作り出したものですから、 そんなに上手く 形式的な分類をすることはできません。 食塩泉といっても 硫黄や重曹などを含んでいる場合もありますし、 反対に硫黄泉や重曹泉の中に 食塩泉の成分が混じっている場合もあります。 大切なのは、どの種類の泉質が どういった具体的な影響を身体に……
第251回 「美人の湯」は、肝臓病にも効く?
【重曹泉】(ナトリウム炭酸水素塩泉) 重曹が主成分の温泉で、 アルカリ泉とも呼ばれています。 入浴すると、お湯の成分が 皮膚の脂肪や分泌物を乳化して 汚れをきれいに落としてくれます。 また、皮膚表面の角質を溶解して 肌をなめらかな状態にしてくれます。 古来から、この泉質の温泉が 「美人の湯」と呼ばれることが多いのは、 おそらく以上の2つの理由によるためです。……