「東洋医学コラム」の記事一覧

この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。

第359回 「長いお別れ」

東洋医学コラム

これから先、中国からたくさんの医薬品が日本に流れ込んでくることと思いますが、成分がすべて漢字で表記されているため、漢方薬と間違う危険性が潜んでいます。数年前にも、アトピーの特効薬として医師が中国から個人輸入して販売していた“安全な漢方薬の軟膏”が実は、ステロイドの軟膏だった事件がありました。そのときの成分表示は「酪酸地塞米松」で、日本語に訳せば「酪酸ジヒドロ……

第358回 「蒙を啓(ひら)く」

東洋医学コラム

脂肪やコレステロールといういくつかの例外はありますが、日本人はどういうわけか、過剰なものより不足しているものに神経質になる傾向がどうもあるようです。 ここ数年来、テレビの健康番組、雑誌・チラシなどに掲載されている健康食品やサプリメントの広告を見ても、「○○○は年齢とともに身体から減少し何々の弊害が生まれるので、補給しなければならない」などといった、不足を強調……

第357回 「癌患者に、大きな福音」

東洋医学コラム

麻薬として有名なモルヒネには痛みを抑える作用、咳を軽くする作用、下痢を止める作用など、実に多種多様の作用があります。 例えば現在、塩酸ロペラミドというモルヒネに類似した成分が病院で下痢止めとして非常によく使われておりますが、その理由はどんな下痢でもすぐに収まってしまうからです。そのため、モルヒネは以前、痔の手術後に出来た傷をきれいに治すためにも使用されてきま……

第356回 検査を受けると、尿に異常が・・・

東洋医学コラム

腎臓が悪くなっている状態で病院で検査を受けると、大抵の場合、尿に“タンパク”が下りています。なぜ、腎臓が悪くなると尿にタンパクが下りるのかといいますと、腎臓の中にある血液を濾過する働きを持つ糸球体の部分が弱ってくるためです。 本来、タンパク質は身体に必要なものですから、腎臓の機能が正常で適正なタンパク質の摂取量であれば、糸球体からタンパクが漏れ出すようなこと……

第355回 「腎臓からの悲鳴!」

東洋医学コラム

タンパク質を過剰に摂取した場合、腎臓を傷めることがあるのは腎臓の血管に大きな負担が掛かるからです。腎臓は左右に2つありますが、実は身体全体の0.5%ほどの大きさしかない意外と小さな臓器です。ところが、この小さい臓器に流れ込む血液の量は、身体の中を流れる血液全体の約25%もの量があるのです。 また、腎臓の中に数多く存在している、血液を濾過し尿をつくる働きを持つ……

第354回 ステロイド含有の漢方薬とは?

東洋医学コラム

アシドーシスの場合とは反対に、動脈血のpHが7.45以上になることが“アルカローシス(アルカリ性血症)”です。アルカローシスの状態になると神経や筋肉が異常に興奮しやすくなるため、精神錯乱・筋肉痙縮・けいれんなどの症状が 現われやすくなります。 どうして、アルカローシスになると神経や筋肉が異常に興奮しやすくなるのかといいますと、血液中のカリウムが細胞内へ移動し……

第353回 「危険な浣腸」

東洋医学コラム

先日のコラムで、「酸を中和してくれるアルカリ分が下痢で大量に失われたりすると、酸性の度合いが強まって人体に支障をきたすようになる」という話を致しましたが、酸を中和してくれるアルカリ分とは実は、“腸液”のことを意味しております。 腸液とは、小腸壁にある腸腺から分泌される消化液の総称で、炭水化物分解酵素であるマルターゼ・サッカラーゼ・ラクターゼ、タンパク質分解酵……

第352回 糖尿病食、危険な落とし穴!

東洋医学コラム

通常、食べ物から吸収され血液中に取り込まれた糖分は、すい臓から分泌されるインシュリンの働きによって、細胞の中へと運ばれエネルギーとして利用されます。 このとき、血液中のカリウムも実は、糖分と一緒に細胞の中へと運ばれていきます。つまり、糖尿病のようにインシュリンの分泌量が不足したり、すい臓の働きが衰えている状態では、血糖値だけでなく、血液中のカリウム濃度も正常……

第351回 「ダイエットの危険なワナ!」

東洋医学コラム

血液の酸性度がpH7.35以下になった状態を、アシドーシス(酸性血症)といいます。どうして、アシドーシスが身体によくないのかといいますと、細胞内に保持してある多量のカリウムが細胞の外へと流れ出して高カリウム血症を発症してしまうからです。 高カリウム血症になると神経間の伝達が阻害されるため、筋肉の運動だけでなく、人間の生命活動の中心である中枢神経の働きも維持で……

第350回 黒酢、毎日飲んでも大丈夫?

東洋医学コラム

通常、タンパク質といえば肉や魚、乳製品、玉子などの動物性食品がまっ先に頭の中に思い浮かびますが、米や小麦、大豆、トウモロコシ、ジャガイモ、バナナなどの主食にされる植物性食品の中にもタンパク質は少なからず存在しています。 またご存知の通り、タンパク質は私たち人間が生きていくために絶対に欠かせない栄養素なのですが、取り過ぎると、一時的に血液が酸性に傾いてしまって……

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