「望診」について、もう少し詳しく説明します。望診は、目を使って患者を見る方法です。何の道具もいらないので、誰でもいつでもどこでも行なえます。 やり方は、まず身体全体の様子を観察します。太っているか・やせているか、元気がありそうか・なさそうか、動きが速いか・遅いか、表情が明るいか・暗いか、言葉がしっかりしているか・していないか、体力がありそうか・なさそうかなど……
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第13回「口を開けば病気が分かる、手を触れば病気を当てる」
中医学の診察は、望診・聞診・問診・切診の4つの方法を組み合わせて行います。 「望診」は、目で見る診察法で特に重要です。患者の顔、目、皮膚、舌、排泄物の状態、体全体などを観察します。この中でも、「舌診」は中医学独特の見方をします。舌が赤い、黒い、白い、縮んでいる、腫れている、ぶよぶよしている、乾燥している、じゅくじゅくしているなど、これだけでも病気がどこにある……
第12回「陰陽五行説 その3」
<五行説の具体的な説明> 味は、酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味(塩辛い味)の五味に分けられます。色なら、青色・赤色・黄色・白色・黒色の五色。季節なら、春・夏・長夏(土用)・秋・冬。気候なら、風・暑(熱)・湿・燥・寒。成長の過程なら、生・長・化・収・蔵・・・これを説明しますと、この世に生を受け、成長し、成熟した物に変化する、それを収穫する、そしてそれを蔵にしまう……
第11回「陰陽五行説 その2」
日本では白・黒をつけたがりますが、中国では何でも五つに分けたがります。 実は中国の古代思想の根底には、「この世の物は、木・火・土・金・水という五つのものから出来ている」という、五行説という考え方があるのです。これら五つの物質は、いずれも古代中国人の身近にあった必要不可欠なものであったに違いありません。 つまり化学でいうところの元素である、酸素・水素・炭素・窒……
第10回「陰陽五行説 その1」
ここで中医学の基本となる「陰陽五行説」のことを、「陰陽」と「五行」とに分けて少しお話しておきたいと思います。 中国の古い時代の基本的な考え方の一つである陰陽説とは、「この世に存在するすべての事や物には、その中に必ず性質の反対の二つの要素が対をなして存在しており、それらは別々に分かれて存在する事は出来ず、しかも、それらはお互いに固定された関係ではなく、バランス……
第9回「インフルエンザ その3」
「インフルエンザの学級閉鎖がない国の秘密とは?」 インフルエンザの発生地といわれている中国の場合、私の聞いた話では、抗ウィルス薬もほとんど輸入していないということですし、インフルエンザによる学級閉鎖というものもないそうです。 中国の一般家庭には、常備薬として板らん根というものが置いてあります。板らん根は日本ではほとんど知られていませんが、中国では非常にポピュ……
第8回「インフルエンザ その2」
インフルエンザの予防について 現在、インフルエンザの流行が予想以上に速いため、用意されたインフルエンザ用の抗ウィルス薬の供給が間に合わず、医療の現場での品不足が連日大きな話題になっています。 これらの抗ウィルス薬は、どれも日本では製造されておらず、すべて欧米からの輸入にたよっています。そのわけは日本でのインフルエンザの認識と違い、アメリカやヨーロッパでは単な……
第7回「インフルエンザ その1」
インフルエンザは、普通の風邪とは違います。 風邪は、鼻やのどなどを含む上気道と呼ばれる空気の通り道の粘膜に、ウィルスなどの病原性微生物が感染して、引き起こされる急性の感染症の総称です。専門的には「風邪症候群」といい、その代表がいわゆる風邪と呼ばれる普通感冒です。風邪の症状は、のどの痛み、鼻汁、くしゃみやセキなどが中心で、全身症状はあまり見られません。発熱もそ……
第6回「寒・熱の食べ物 その2」
前回、熱性は大熱・熱・温・微温に分けられるといいましたが、熱と温との違いは、ともに体を温めますが、熱のほうが強く、温は緩やかに温めます。食べ物の中には、大熱のものはほとんどありません。 熱に属するものとして、ニンニク(生)・しし唐・山椒の実・唐辛子などがあります。温は、ニンニク(加熱したもの)・ねぎ・しょうが・羊肉など。微温は、鶏肉・サンザシなどです。北海道……
第5回「寒・熱の食べ物 その1」
中医学や薬膳料理では、食べ物を「熱性の食べ物」「寒性の食べ物」「平性の食べ物」というふうに分類しています。 例えば熱性の食べ物とは、主に体温を上げるもの、血圧を高くするもの、頭を興奮させるものなどを指します。(前回で述べた羊肉・しょうが・ねぎ・ニラなどです)ですから、熱性の食べ物ばかり食べていると、体温が上がりすぎて体が乾燥しすぎたり、血圧が高くなったり、興……