食中毒の予防として、肉食が多いヨーロッパではパセリ・タイム・セージ・レモングラス・ミントなどのハーブ類やマスタード・コショウなどの香辛料を料理によく使います。 中国では、スベリヒユという雑草が同じように使われます。正式名は馬歯莧(ばしけん)といい、茎は赤色・葉は緑色・花は黄色・根は白色・実は黒色いことから五行草とも呼ばれています。 中医学では、細菌やウイルス……
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第66回 「水を飲んで食中毒に」
食中毒というとレストランや飲食店などでの食事が原因のことが多いのですが、家庭の食事でも起こる可能性があります。とくに、家庭では症状が軽かったり発症者が少ないため、ただのカゼや寝冷えなどと間違えられてしまい食中毒とは気づかずに重症化して死亡してしまうことがあります。 また、井戸水を使用している家庭では、知らないうちに水源が汚染されてしまい水が原因で食中毒になる……
第65回 「出産は命がけのことだった」
今から150年ほど前の西洋医学は衛生概念などほとんどない状態に置かれており、特に外科の領域は混乱と失望の大変な世界だったようです。 例えば、外傷や手術を受けた後に患者が発熱し患部に膿が溜まることは当然で傷が治るためには必要なことだと考えられており、1867年イギリスの外科医リスターが石炭酸の水溶液を用いて手や傷口および器具などを消毒する防腐法を提唱し普及させ……
第64回 「硬水と軟水」
中国は衛生状態が悪いから、生水を飲むと下痢をするとよくいわれます。しかし水が不衛生というだけでなく、水の性質が硬水という理由も大きいと考えられます。 一般に、硬水とは水の中のカルシウム・マグネシウムなどのミネラル分の多い水のことを指し、少ない水は軟水と呼ばれます。全硬度(ミネラルの含有量)で分類しますと、14以上を硬水・8程度を中硬水・3以下を軟水とします。……
第63回 「ボケてきたら」
中医学では、塩からい味のものは適度に食べると腎の働きをよくするとされています。つまり、頭脳の働きがよくなる・ボケにくくなる・物忘れしにくくなる・骨や歯が丈夫になる・耳の働きがよくなる・髪の毛が増える・髪の毛が黒くなる・精力が増進する・足腰が強くなる・尿の出がよくなるなど、腎に関する症状の改善がいろいろ期待できるということです。 食べものでいえば、イワシ・納豆……
第62回「スッポン、妊娠中は要注意!!」
前回、塩からい味のものは硬いものを軟らかくする作用があるといいましたが、じつはもっとよいものが中医学にはあります。 「軟堅薬(なんけんやく)」と呼ばれる、芍薬(しゃくやく)・牡丹皮(ぼたんぴ)・莪朮(がじゅつ)・鼈甲(べっこう、スッポンの甲羅)などの生薬がそうで、それらを漢方薬に加えて使うと前立腺肥大や子宮筋腫などでは塊りが軟らかくなって消えたようになること……
第61回 「減塩生活の落とし穴」
塩からい味のものは、西洋医学では高血圧や動脈硬化によくないとされています。また、胃潰瘍や胃ガンの誘因にも繋がるという話もあります。 しかし、塩分は身体に必要不可欠なものであり、不足すると水分や体温の調節・脳への情報伝達・筋肉を動かすことができなくなってしまいます。 塩分の必要量は、気候や食生活および人種によっても違ってきます。西洋人と日本人とでは、菜食が多い……
第60回 「安上がりな、SARS予防薬」
中医学による新型肺炎の予防薬に関して、上海のグループは現在の中国全体でひっ迫した生薬の需要の状況を考慮して、一般向けに国家中医薬管理局の処方案よりもさらに生薬の種類を減らしたシンプルな処方を提案しています。 ☆SARS予防用処方(上海案) 黄耆15g 白朮9g 防風9g 陳皮6g 貫衆9g この処方の内容を見てみますと、シンプルですがとても合理的に作られて……
第59回 「名医の始まり」
「神農本草経」という、薬草に関する中国で最も古い書物があります。この本は神農さんという人物によって書かれたものとされており、神農さんが赤いムチで毒蛇などを払い除けながら、いろいろな種類の草をなめて薬草か毒草かを区別していったのだといわれています。この神農本草経には365種類の薬草が載っており、私たちはずいぶんとその恩恵にあずかっています。ですから、薬草の神様……
第58回 「負けるが勝ち」
中世のヨーロッパを襲い全人口の3分の1を死亡させたといわれるペストも、もともとはリスや野ウサギ・野ネズミなど小動物の比較的弱い伝染病の一つでした。それが、人間が森林などを伐採して自然の奥深くへ侵入していったため、ペスト菌を持っていた野ウサギや野ネズミなどから人間に感染して大流行を起こしたのです。そして、その毒性は野ウサギや野ネズミなどには弱くても、人間に対し……