「健全な精神は、健全な肉体に宿る」といいますが、実は外国のことわざが誤訳されたものだと聞いたことがあります。「健全な肉体には健全な精神が宿るように、努力しなければならない」というのが本当の訳文だそうです。 確かに、医者だからりっぱな人間であるとか、エライ人間であるというのもおかしな話で、「医者は人様の大事な生命を預かる職業だから、医者になったらりっぱな人間に……
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第49回「コーヒータイム」
苦味は、五臓六腑の「心」の異常に対しての薬になることがあります。食べ物でいえば、よもぎ・ふきなど体を温めるもの、緑茶・ゴボウ・苦瓜など体を冷やすもの、銀杏・春菊など温めも冷やしもしないものです。 また、ご存じのようにコーヒーは苦い味の飲み物ですが、体を冷やす・体を温めるという相反する見方があります。「生命に関わる問題でもないのだから、ホットかアイスで区別すれ……
第48回「弘法大師のお札」
日本で心臓の漢方薬といえば、「救心」や「六神丸」が有名ですが、その成分の中には牛黄(ゴオウ)と呼ばれる牛の胆石が含まれています。牛黄は、生薬の中で最も高価なものの一つで、価格が金の約3倍もします。昔から大変貴重なものとされ、牛黄が見つかった場合には朝廷へ献上しないと死刑にされたという伝説まであったようです。 また、人間や他の動物の胆石では効果がないのかという……
第47回「郷に入れば、郷に従え」
春は「肝」に関係が深い季節で、肝の症状は春に変化することが多いものです。肝は、伸び伸びすることを好み、ウジウジ・グズグズ・イライラすることを嫌います。そのため、毎日の生活や仕事でストレスを溜めて、悩んだり怒ることはよくありません。なるべく、気分よく楽しく生活することが必要です。 肝によい影響を与える果物として、リンゴやユズなど体を温めるもの、レモンなど体を冷……
第46回「酢の取り過ぎは禁物です」
酸っぱい味のものは、五臓六腑の「肝」の異常に対して有効です。適量であれば、五臓の肝の働きを正常にし、体の疲れを取り、精神のいらだちを鎮静し、眠りを深くし、目の疲れを除き、胃腸の働きを整えます。但し、胃腸を傷つけるので取り過ぎは禁物です。 一般に、酸っぱい味の食べ物は収れん性を持っています。収れん性とは、梅干しやレモンなどの酸っぱいものを食べると思わず口をすぼ……
第45回「人類の宝、抗生物質は正しく使う」
細菌に感染した場合、抗生物質が使われる理由についてお話します。まず、細菌に感染したということは、体の抵抗力が弱って感染しているわけですから、そのままにしておくと体内で細菌の増殖が拡大して危険な状態になる可能性があるため、その細菌を殺滅するために抗生物質が使われます。 抗生物質は副作用がありますし、肝臓にも負担が掛かりますから、副作用より細菌感染を防ぐメリット……
第44回「アレルギー治療の落とし穴」
アトピー・花粉症・ぜんそくは、主にアレルギーによって引き起こされる病気です。アレルギーとは、通常では体に害を与えない花粉・ハウスダスト・カビ・食物などに対して、免疫系が過剰反応を起こした状態を指します。 ですから、アレルギー治療の本質は、それらに対して免疫系が過剰反応しないようにすることで、アレルゲンを避け続けたりステロイドを使い続けることだけではないはずで……
第43回「痛みと賢く付き合う」
「○○○を飲んだら、3日でひざの痛みや腰痛が治った」とかいう広告のようなものを、この頃よく目にします。もちろん、単なる打ち身や捻挫なら早く治るでしょうが、お年寄りなどのひざや腰の痛みは、その部分の筋肉が弱ってきたり、血液の流れが悪くなってきたり、骨や軟骨などがスリ減ってきたりして、総合的に痛みが起こっている場合がほとんどですから、3日ぐらいで治ることは物理的……
第42回「顔が黒くなったら、老化を疑え」
顔色がだんだんと黒っぽくなってきたら、「腎」の異常を疑います。但し、日焼けの場合は除きます。 現代医学における腎臓の働きは、ただ単に尿をつくるだけでなく、体の老廃物を取り除くフィルターの役目・体の水分や塩分などの調節をする役目・血圧を上昇させる物質の分泌・ビタミンD3の活性化・副腎皮質ホルモンの分泌など、いろいろな方面に及んでいることが分かっています。 中医……
第41回「A型肝炎の漢方薬」
現在、中国および香港を中心に東南アジアの国々では、正確な情報もわからないまま国家の対応にも不安を感じながら、新型肺炎の感染に人々は戦々恐々とした日々を送っています。 また、テレビではほぼ毎日のように人々がマスクを着用している姿が放映されており、アジア各国ではキムチやヤクルトが新型肺炎に効くというウワサで急激に売れる騒ぎになっています。 以前、インフルエンザ特……