ラッキョウはいかにも効きめがありそうな野菜ですが、漢方薬の材料としてもかなり昔から中国では使われています。 例えば、2000年以上も前の中医学の重要な古典の一つである「金匱要略(きんきようりゃく)」という書物の中にも、ラッキョウとカラスウリの種を酒で煎じて作る瓜呂薤白白酒湯(かろうがいはくはくしゅとう)という漢方薬が出てきます。 イチョウの葉やタマネギなどが……
「2015年12月4日」の記事一覧
第123回 「願作桂林人、不願作神仙」
タイトルの文章は、「願わくば神様になるよりも、桂林の人になりたい」という意味ですが、桂林は山水明媚で有名な金木犀(きんもくせい)の香りに包まれた中国広西省に位置するとても優美な観光都市です。 また、「蘇州夜曲(そしゅうやきょく)」というサントリーのウーロン茶のCMにも使われた美しいメロディーと詩を持つ有名な歌がありますが、私はこの歌を聴くと何故か桂林の景色を……
第122回 「戦争と平和」
白い巨塔のテーマ音楽であるアメイジング・グレイスは荘厳で魂を揺さぶるようなメロディと人間の心の奥底の苦悩を描いた非常にシリアスな詞を持つ歌でありますが、このような歌が作られたことの背景には侵略戦争や奴隷制度などで行なった数々の理不尽な行為に対してへの罪の意識があるのではないかと思います。 例えば、黒人や東洋人への人種差別や他の宗教に対しての迫害や攻撃。さらに……
第121回 「神が味方」
白い巨塔のテーマ音楽であるアメイジング・グレイスの原文の歌詞を手に入れることが出来ましたので、私なりに訳してみました。 訳していて感じたのは、メロディだけでなく歌詞のほうもこのドラマにとても合っているということです。20年以上も前に見た「白い巨塔」はキャスティングが素晴らしかったのですが、今回はテーマ音楽の選曲が非常によいと思います。 「アメイジング・グレイ……
第120回 「心臓も火事になる?」
中医学では、ストレスが身体によくない理由の一つとして、気滞を生じるということが挙げられています。 簡単にいえば、気滞とは気の流れが悪くなっている状態を指し、その部分に気が鬱積して張る感じや痛みなどを引き起こします。また、気滞はひどくなると火とよばれる赤みを伴う炎症を起こし、長引けば血液・水分・栄養物などの流れも悪くなってさらにいろいろな障害を引き起こしたりし……
第119回 「イライラばかりしていると」
生まれつき胃腸が弱かったり体質的に貧血になりやすかったり、急性や慢性の病気やケガによる出血で血液を消耗したりすると、中医学で「心血虚」と呼ばれる心臓の貧血状態を起こすことがあります。 こういう場合には、動悸・不眠・夢をよく見る・物忘れしやすいなど心気虚と同じような症状のほかに、目まい・顔色が悪い・舌や唇の色がうすいなどの貧血に特有の症状が現れてくることが多く……
第118回 「珈琲や煙草は・・・」
中医学の陰陽五行説では、心の状態は「舌や顔色に反映し、味は苦である」というふうに説明されています。 確かに、心気虚の状態になれば心臓のポンプとしての働きも衰えるため、血液の流れる速度や量も減少して、顔色なども白っぽい萎えた感じのものになってきます。また、コーヒーやタバコなど苦い味のものが嫌いな方は、気力や体力などが不足しがちなことが多く心気虚になりやすい傾向……
第117回 「汗は心臓の涙!」
汗をかくことは、身体によいとか・気分を爽快にさせるとか健康によい面だけがとかく強調されがちですが、中医学では「汗は、心臓の涙である!」というふうに注意すべきこととしても捉えられております。 例えば、運動やサウナなどであまり発汗し過ぎてしまうと、一時的に心気虚の状態になって心臓の働きが低下してしまう場合がありますし、血液内の水分量が減少して血管が詰まりやすくな……
第116回 「老化対策してますか?」
中医学的に心と小腸が弱いタイプの人は、物忘れしやすい・夢をよく見る・眠れない・無気力・すぐ疲れる・動悸や息切れをよく訴える・汗をかきやすいなどの傾向があります。 中医学では、こういう症状は心の気の衰えを示すものと考えられ、こういった状態を「心気虚」と呼んでいます。心気虚の状態になると、心臓のポンプとしての力も衰え脈の打ち方が弱くなったり不規則になって、動悸・……
第115回 「貧血読本 その2」
赤血球の一番重要な働きは全身に酸素を運搬することですが、その中心的な役割を演じているのは赤血球の中に含まれている「ヘモグロビン」です。 ヘモグロビンはタンパク質の中に鉄を含んだ構造で、体内の鉄分が不足してくると必要な量のヘモグロビンが作れなくなり酸素が欠乏し貧血の症状が現れてきます。また、食べ物などに含まれる鉄分は、胃酸で吸収されやすい形に変換されて十二指腸……