日本では、花粉症に「小青竜湯」という漢方薬をよく使います。しかし、小青竜湯は葛根湯の仲間で体を温める作用が強いので、熱があるタイプの花粉症には向きません。 「大リーグの選手が練習中に死亡し、使用中のダイエット薬に含まれているエフェドリンが心臓発作を引き起こした可能性がある」という記事が新聞に載っていましたが、葛根湯や小青竜湯にも「エフェドリン」は含まれていま……
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第21回「花粉症のTさんからの手紙」
読者のTさんから、お手紙をいただきましたので、花粉症について少し説明をしたいと思います。 「いつも楽しく拝見させていただいています。大阪に住む31歳の花粉症の男です。今の時期になると花粉症に悩まされます。予防策として、耳鼻科から抗アレルギー剤をもらい、ヨーグルトを食べ、甜茶を飲み、シソの味油のサプリメントを食しています。いっそのこと、何年かかってもいいので、……
第20回「舌診 その3」
舌苔が厚いとは、舌が苔に覆われて表面がよく見えないことを指します。体液が過剰だと、舌苔は厚くなります。舌面(舌の表面)に、きめ細かくびっしりと貼りついてなかなか剥がれない苔を膩苔(じたい)といい、体液の過剰や暴飲暴食を表わしています。舌面にまばらに豆腐のかすが積もったように見える、すぐ剥がれる苔は腐苔(ふたい)と呼ばれ、飲み過ぎや食べ過ぎなどによって胃腸障害……
第19回「舌診 その2」
舌体の形状は、大きくぼてっとしたもの、薄く痩せているもの、小さくて外から見えにくいもの、歯跡がくっきりついたもの、曲がっているもの、凸凹のあるもの、亀裂の入ったものなど、いろいろあります。また、軟らかく傷つきやすそうな舌体や、固くてがっしりとした舌体もあります。 大きくぼてっとした舌体は肥満者に多く、体に余分な水分が貯まっていることを表わしています。薄く痩せ……
第18回「舌診 その1」
舌を観察する場合、中医学では「舌診」と呼ばれる独特の方法を用います。舌からは多くの情報が得られるため、舌診は望診の中でも特に重要視されています。 蛍光灯などの人工的な光の下では本当の色がわからないため、舌診は自然光が差し込む明るい場所で行います。また、「舌苔(舌のこけ)」は着色しやすいので、色が着いた飲み物や食べ物は診断前には避けなければいけません。 舌診は……
第17回「肌の色・ツヤ その3」
肌の色・ツヤを見る場合、注意したい点が2つあります。 まず、どの部分を観察するかです。日焼けした部分や皮膚が硬化している部分は、特殊なケースを除いてあまり参考になりません。また、女性の場合は化粧をしますから、顔もあてにできません。本来の肌の状態がよくわかるのは、喉元や腕の内側の部分です。 次に、蛍光灯などの人工的な光では本来と違う見え方をすることがありますか……
第16回「肌の色・ツヤ その2」
皮膚が乾燥して白くザラザラしているのは、「陰虚」と呼ばれる体液不足を考えます。陰虚とは体内の水分とそれを保持する能力が減少した状態で、唾液が減少して口の中が乾燥したり、涙不足で目がパサついたり、陰部の粘膜が潤いを失い過敏になったりもします。また、老人性皮膚掻痒症という病名がありますが、それも陰虚の症状のひとつです。 一般に、陰虚は高齢者に多くみられます。しか……
第15回「肌の色・ツヤ その1」
肌に透明感やツヤがあれば、血液の量も豊かで血行もよい状態です。反対に肌にツヤが無く、くすんでいたり、荒れていれば、血液の量も不足気味で血行も悪い状態であると、中医学では判断します。 西洋医学の貧血は、血液中の赤血球やヘモグロビンの濃度が低い状態を主に指します。しかし中医学では、血液の全体量が少ないことも「血虚」と呼んで問題視しています。 血虚になると十分に体……
第14回「望診は、目で観察します」
「望診」について、もう少し詳しく説明します。望診は、目を使って患者を見る方法です。何の道具もいらないので、誰でもいつでもどこでも行なえます。 やり方は、まず身体全体の様子を観察します。太っているか・やせているか、元気がありそうか・なさそうか、動きが速いか・遅いか、表情が明るいか・暗いか、言葉がしっかりしているか・していないか、体力がありそうか・なさそうかなど……
第13回「口を開けば病気が分かる、手を触れば病気を当てる」
中医学の診察は、望診・聞診・問診・切診の4つの方法を組み合わせて行います。 「望診」は、目で見る診察法で特に重要です。患者の顔、目、皮膚、舌、排泄物の状態、体全体などを観察します。この中でも、「舌診」は中医学独特の見方をします。舌が赤い、黒い、白い、縮んでいる、腫れている、ぶよぶよしている、乾燥している、じゅくじゅくしているなど、これだけでも病気がどこにある……