もとはと言えば、私たちの身体は たった一つの受精卵が 分裂と増殖を積み重ねた結果、 得られたものです。 受精卵は、分裂を幾度もくり返しながら 様々な臓器や組織を作るために分化し、 臓器や組織が完成すると増殖を停止します。 しかし、遺伝子に異常が生じると、 細胞は無秩序に分裂や増殖をくり返し 自分勝手に際限なく 増え続けてしまうことがあります。 こうして変異し……
「2016年」の記事一覧(20 / 25ページ目)
第254回 「ある日突然、ガンに」
西洋医学の面から考えれば、 私たちの身体の正常な細胞が ガン細胞に変化するのは 「分裂する細胞」だけだということが言えます。 また、正常な細胞が細胞分裂の過程を得ずに、 ある日突然、ガン細胞に変わることはありえません。 ですから、抗ガン剤の多くは、 細胞が分裂する段階の部分に作用し、 骨髄などの細胞分裂の盛んな部分は 抗ガン剤の副作用の影響を受けやすくなりま……
第253回 心臓のガン、聞いたことがありますか
暑い夏の日差しがようやく傾きかける 9月になると、私の住んでいる市町村では 秋の集団健康診断が一斉に始まります。 そのため毎年、私どものところでは、 秋は通常の季節と比べて 成人病に関する相談が増えてまいります。 そんな中で、ここ数年気にかかるのは、 肺ガンや大腸ガンの患者さんが 以前と比べてやけに多くなっていることです。 昔はそういう種類のガンはあまり多く……
第252回 今日で、最後になりますが
ここしばらく、日本に多く見られる 温泉の泉質について書いておりますが、 温泉は自然が作り出したものですから、 そんなに上手く 形式的な分類をすることはできません。 食塩泉といっても 硫黄や重曹などを含んでいる場合もありますし、 反対に硫黄泉や重曹泉の中に 食塩泉の成分が混じっている場合もあります。 大切なのは、どの種類の泉質が どういった具体的な影響を身体に……
第251回 「美人の湯」は、肝臓病にも効く?
【重曹泉】(ナトリウム炭酸水素塩泉) 重曹が主成分の温泉で、 アルカリ泉とも呼ばれています。 入浴すると、お湯の成分が 皮膚の脂肪や分泌物を乳化して 汚れをきれいに落としてくれます。 また、皮膚表面の角質を溶解して 肌をなめらかな状態にしてくれます。 古来から、この泉質の温泉が 「美人の湯」と呼ばれることが多いのは、 おそらく以上の2つの理由によるためです。……
第250回 「にがり」が主成分の温泉?
【苦味泉】 硫酸イオンが主成分の温泉です。 芒硝(ぼうしょう)泉・石膏泉・ 正苦味(せいくみ)泉の3種類に分類され、 舐めると苦く、収れん作用があるため、 すり傷やケガなどの症状に効果があります。 現在、「にがり」が大ブームになっていますが、 この温泉の成分は 簡単に言えばにがりのようなものです。 飲用すると胆汁の分泌が促進されて、 腸のぜん動運動が盛んにな……
第249回 「毒を持って、毒を制す!」
【硫黄泉】 温泉水1キロに対して、 硫黄(イオウ)を1mg以上含有しています。 卵の腐ったような独特の匂いの温泉で、 湯は白く濁り、石けんもほとんど泡が立たない。 また、刺激性も強く、高齢者や病弱者、 皮膚や粘膜の弱い人は 入浴を避けたほうがよいとされている。 しかし、療養効果は最も顕著で、 応用範囲も広く、身体もよく温まる。 「毒を持って、毒を制す!」 と……
第248回 「坊ちゃん」で有名な、あの温泉は?
前回、源泉の温度が25度を越えれば 温泉と名乗れるという話をしましたが、 25度以下の場合でも、特定の成分が 1つでも基準の量以上含まれていれば、 現行の温泉法では 温泉としての指定を受けることが出来ます。 例えば、リチウムイオンの場合、 温泉水1キロに対して 1mg以上含まれていれば温泉になりますし、 バリウムイオンでは5mg以上、 鉄イオンの場合では10……
第247回 「温泉乱発の裏事情」
昔は、別府や有馬、草津など、 お湯が自然と豊富に湧き出ているところを 温泉と呼んでいたのですが、 昭和の中頃に作られた 「温泉法」という法律によって、 温泉の定義自体が大きく変わりました。 温泉法は、源泉での温度が 25度を越えていれば、 含まれる成分や量に関係なく 温泉の指定を受けることができたり、 25度以下でも特定の成分が 1つでも基準の量を満たしてい……
第246回 食塩が添加? 熱海温泉
治療の目的に使われる温泉は 療養泉と呼ばれ、 含まれる成分や量によって 食塩泉・単純泉・硫黄泉・放射能泉・ 重曹泉・硫酸塩泉・鉄泉など 約10種類ほどに分類されています。 【食塩泉】 日本の温泉に一番多く見られる泉質で、 ナトリウム塩化物泉とも呼ばれます。 舐めると塩辛く、入浴すると 皮膚に塩分が付着して 汗の蒸発が妨げられるため、 身体が温まっていつまでも……