「子は、怪力乱神を語らず」という言葉が、論語の中に出てきます。これは論語読みの間では有名な言葉で、怪力・乱神と二つに区切って「怪異な力」、「正しからぬ神」を語らないという解釈の仕方と、怪・力・乱・神と四つに分けて「怪異な力」、「権力」、「争い事」、「神憑り的な話」は語らないという二つの解釈の仕方があります。 一般的には、後者の解釈のほうが正しいとされています……
「東洋医学コラム」の記事一覧(10 / 36ページ目)
第268回 「ウーロン茶伝説」
中国の人たちはウーロン茶を飲んでいるから体形がスマートなのだ、という噂が以前から日本では強く信じられておりますが、中国人すべてがウーロン茶を飲んでいるというわけではありません。 北京の人たちは一般にジャスミン茶を愛飲していますし、他の地方に行けばプアール茶やその他のお茶を日常的に飲んでいます。おそらく比べてみれば、ウーロン茶を飲んでいる人たちよりも、それ以外……
第267回 「アインシュタインの有名な言葉」
昔から、動物性の油と植物性の油とどちらのほうが身体によいのかという議論が、いろいろなところで行なわれてきました。通常、動物性の油というのは融点が高く、人間の体温の範囲内では溶解せずに固体の状態を示しています。しかし、植物性の油は融点がかなり低く、同様な温度条件では常に液体の状態を保ちます。 そのため、動物性の油を摂取すると、脂肪分が固まりやすくなって動脈硬化……
第266回 「中医学の悪い癖」
海水の中でも淡水の中でも、魚は死ぬと水の中から水の上へポッカリと浮き上がってきます。しかし、魚は死んだように眠っていても、生きていれば余程のことがない限り水の上へと浮かび上がることはありません。 また、海やプールで泳ぐとき、リラックスして身体の力を抜けば身体も浮きやすくなり、かなり遠くまで泳ぐことができます。しかし、反対に緊張して身体に力を込め過ぎてしまうと……
第265回 「眠れない夜」
西洋医学では、不眠というとまず精神安定剤や睡眠薬が処方されるように、脳神経の異常な興奮が不眠の主な原因であると考えられています。しかし中医学では、不眠はもう少し違った原因から起こる病気というふうにも捉えられております。 なぜなら、西洋医学では思考や精神を支配する機能は脳にあるとされていますが、中医学では五臓六腑の「心」がその役目を担っているとされているからで……
第264回 「おもいつきテレビ」
前回、お話ししましたように、その時代の食糧事情あるいは食習慣の変化などによって、どういう病気に罹りやすくなるかはいろいろと大きく異なってきます。 例えば、昔は玉子や肉などの動物性の食品は大へん高価なもので、いくら身体によいといわれていても重い病気にならなければ滅多に食べさせてもらえないものでした。しかし、今では価格も大幅に下がりいつでも自由に食べられるように……
第263回 「栄養状態が過剰で起こる病気」
今から二、三十年ほど前までの食糧が慢性的に不足していた時代には、血小板の凝集力が弱くて出血しやすい人の比率が高かったそうです。また、白血球の粘着能力も弱くて、風邪やインフルエンザなどの感染症に罹る人の割り合いもずいぶん多かったみたいです。 しかし、現在のように食料が溢れるほど豊富になって栄養状態が過剰気味になってきたら、逆に、血小板が凝集する力が強くなって脳……
第262回 「健康診断、よくある落とし穴」
健康診断で白血球や赤血球などの臨床検査の項目の値がすべて正常の範囲内にあっても、病気になったという人は大勢います。また逆に、検査項目の値が異常値を示していても、健康だという人もたくさんおります。 なぜなら、正常値というのはあくまで一つの目安になるだけで、すべての人にいつでも当てはまるとは限らないからです。 例えば、白血球を計る検査機械では通常、3000~80……
第261回 「血管内部からの告発」
西洋医学は病気をどのように定義するかから始まっていますが、東洋医学では健康の状態をどう捉えるかが出発点となっています。例えば、中医学では人間が健康かそうでないかを見る場合、於血という血液の流れが滞ってうっ血した状態がないかどうかを探します。 現代医学でもこのところ、動脈や静脈の太い血管だけでなく、微小循環と呼ばれる毛細血管の血液の流れが注目されてきていますが……
第260回 「世界で初めて、漢方薬の注射薬」
現在、西洋医学では血栓が出来るのを防止するため、血小板の凝集を抑えることに重点が置かれていますが、血液サラサラ、ドロドロの観点からすれば、赤血球や白血球の変形能力を高めたり粘着性を軽減することも血栓の予防には効果があるはずです。 中医学では、血栓の予防に丹参(たんじん)という中国産のシソ科の植物が配合された「冠心II号方」という漢方薬をよく使いますが、実際、……