「東洋医学コラム」の記事一覧(18 / 26ページ目)

第90回 「十通りの治療法があります」

東洋医学コラム

現代の西洋医学では、以前には想像もつかなかった優れた診察法や検査法がいろいろ開発されております。例えば、胃カメラでは胃の中を見れますし、超音波検査では肝臓や腎臓の様子を知ることもできます。さらに、CTやMRIなどでは人体の内部を画像として表わすことさえできます。 しかし、あまりに細部まで調べられるようになったことで病人よりも病気自体に関心が行き過ぎてしまい、……

第89回 「実証と虚証」 

東洋医学コラム

八綱弁証という物差しで身体を診る場合、健康状態がおかしくなってきたときには、身体に何らかのものが過剰になっていないか・不足していないかということも疑ってみます。 例えば、食べ過ぎによる肥満では身体に余分な脂肪やコレステロールとか糖分などが溜まって、高血圧・動脈硬化・糖尿病などの病気を引き起こしている可能性がありますし、血行障害やストレスなどで身体に害を及ぼす……

第88回 「熱証と寒証」

東洋医学コラム

八綱弁証という物差しで身体を診る場合、病気の性質が寒性か熱性であるかを判定することは、治療の方法を決める上で大変に重要なことです。 寒性の病気を冷やしたり・熱性の病気を温めたりしてしまうと、よくなる病気まで逆に悪化してしまいます。原則として、寒性の病気は温めて、熱性の病気は冷やして治療していきます。 例えば、寒性の病気の場合、寒がり・厚着・顔色が青白い・温か……

第87回 「人体を中華料理に例えると」

東洋医学コラム

八綱弁証という物差しで身体を診る場合、まず始めにすることは病気の位置を探ることです。皮膚や粘膜・筋肉・関節など身体の浅いところに病気があるのか、内臓を中心とした深いところにあるのかを考えます。 人体の構造は、中華料理に例えると肉まんやシューマイ・ぎょうざのようなものです。皮の部分が表・裏の表とすると、肉や野菜の詰まった中身の部分は裏にあたります。 「表」すな……

第86回 「サメ軟骨の矛盾」

東洋医学コラム

サメの軟骨がガンに効く・ひざの痛みによいとかいった話は、新聞や雑誌の広告に毎日のように溢れています。 そして、その広告のどれもに、サメの体の骨の70%は血管のない軟骨で形成されており、その軟骨に血管の生成を抑える成分が含まれているということが書かれています。さらに、その血管の生成を抑える成分として特殊なタンパク質とコンドロイチンが確認されており、これらの成分……

第85回 「ノーベル賞の小柴先生と邱先生」

東洋医学コラム

つい先日の日曜日、ノーベル物理学賞を受賞された小柴昌俊先生の講演を聞きに行ってまいりました。運良く、一番近い席を取ることができ、お顔を間近かに拝見することもできました。 講演の内容は「ニュートリノ」についてのことでしたが、難しい内容の話を私たち物理学にくわしくない人間にもやさしく理解できるように話され、小学生から大学生さらに年配の聴衆の方たちまでも皆さん引き……

第84回 「病気を測る、8つの物差し」

東洋医学コラム

今まで説明してきました四診(望診・聞診・問診・切診)という中医学独特の診察法によって集められた情報は、中医学の理論をもとに分析され病気の性質・部位・身体の抵抗力の状態などを判断することに使われます。 このことを「弁証」といい、この弁証によって得られた結論から治療の方向を検討して、どういう養生の仕方がよいのか・どういった漢方薬を使えばがよいのかなどを決めます。……

第83回 「腹診でわかること」

東洋医学コラム

中医学の腹診のやり方は、まず始めに腹部全体を手のひらで軽く押してみてお腹の筋肉などの弾力の程度を診ます。腹部が充実して腹筋の力が強いものは「実証」という体力が充実している状態を示し、反対に腹筋が弱々しく柔かいものは「虚証」という気力や体力が不足している状態を示しているとされています。 また、腹診の症状として特徴的なものに、心下痞硬(しんかひこう)と胃内停水(……

第82回 「脈診3 妊娠判別法」

東洋医学コラム

正常な脈の状態は「平脈」といい、脈の位置は浅くも深くもなく、脈拍は速くも遅くもなくゆっくりと穏やかで力強くリズムも規則正しいものです。また、平脈は年齢・性別・体質・精神状態などによっても、いろいろと影響を受けやすいものです。 例えば、若い人では力強い脈を示しますが老人になってくると脈もだんだん無力になってきますし、やせている人では浮脈の傾向が太っている人では……

第81回 「脈診2 内臓の病気」

東洋医学コラム

前回の脈診の続きです。まず、指の位置が決まったら、3本の指で脈を軽く押さえて診ます。(これを「浮取」といいます) 次は、指に力を入れて骨につくまで脈を押し深い部分の脈を診ます。(これを「沈取」といいます) さらに、指の力を徐々に抜いていき浮取と沈取の真ん中ぐらいまで指の位置を戻し、この部分の脈を診ます。(これを「中取」といいます) 健康な人の脈の場合、中取が……

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