現代の医学では腎臓の働きは意外と複雑で、老廃物の排泄や水分代謝の他に造血・ホルモン系の調節・血圧の調整・カルシウムの吸収を促進し骨を作るなど多くの作用があると考えられています。
一方、中医学でも腎の働きはさらに複雑で、脳髄を養う・免疫系を支配する・体温を維持する・呼吸の補助をするということにまで関与しているとされています。
また、現在の日本は世界でも指折りの長寿国になってしまったため、骨粗しょう症や痴呆症・ボケなどの病気が、お年寄りやその家族の方々にとってある意味ではガンよりも深刻な問題になってきています。
もし、そういった心配がある場合には、中医学の補腎という考え方はとても役に立つものです。何しろ、五臓の腎の働きをよくしてやれば骨を丈夫にしたり脳の働きを保つことができるというこの考えは、中国4000年の経験に基ずくものですから。
この頃、健康によいからと盛んにウォーキングしている人達を街でよく見かけます。確かに歩くことは骨に対しても脳の働きをよくすることにも大切なことですが、あまり疲れているときや肉体労働の仕事に従事されている方、兼業主婦の方、ひざや腰の痛い方にはおすすめできません。なぜなら、こういう方たちが運動不足の方たちと同じようにウォーキングするのは、過剰な負担を足腰にかけることになり逆に足腰や腎を痛めてしまう結果になってしまうからです。
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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)
◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371
◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。
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