人間は年を取ってくると全身の血管の動脈硬化が進み血液の流れがだんだんと悪くなってきて寒がりになるというふうに思われていますが、中医学的には年を取って腎が衰えることも体温が低くなる原因とされています。

というのは、腎には「命門の火」とよばれる生命のロウソクのようなものがあり、年を取って腎が衰えてくるとそれらも弱って体温を維持できなくなると考えられているからです。

命門の火を燃え上がらせる漢方薬として有名なものには「鹿茸(ろくじょう)」というものがありますが、これは雄ジカの幼角を乾燥したものです。

鹿茸は、中国の古い薬物書である本草綱目にも「精を生じ、髄を補い、血を養い、陽を益し、 筋を強くし、骨を健やかにし、一切の虚損、 耳聾、目暗、眩暈、虚痢を治す」といった効能があると記載されており、インポテンツなどの強壮剤としてもよく使われます。ただし、血圧の高い人や元気のあり過ぎる人が服用すると、血圧が上がったり、のぼせたりして、大変なことになってしまう恐れがありますから、そういう人は服用してはいけません。

また、クマなどが冬眠するときに木の実など栄養の豊富な食べ物のほかに塩辛いものをたっぷりと取るという話がありますが、その理由は塩分が足りないと冬眠しているときに体温が下がり過ぎてしまい死んでしまうからだそうです。何だか、このことも腎・体温・塩辛い味の中医学的な関係を表している感じがしますね。

※命門は左右の腎臓を結ぶ線と背骨が交差する位置にある重要なツボで、生命に通じる門という意味があります。ですから、年を取って身体が弱ったり冷えたりして困ったら、そこのツボを温灸やカイロなどで温めて 生命の門を広げてやると元気が回復してくることがあります。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

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