今まで説明してきました四診(望診・聞診・問診・切診)という中医学独特の診察法によって集められた情報は、中医学の理論をもとに分析され病気の性質・部位・身体の抵抗力の状態などを判断することに使われます。

このことを「弁証」といい、この弁証によって得られた結論から治療の方向を検討して、どういう養生の仕方がよいのか・どういった漢方薬を使えばがよいのかなどを決めます。(このことは「論治」といいます)

また、弁証の方法として代表的なものに、八綱弁証・気血津液弁証・病因弁証・臓腑弁証・六経弁証・三焦弁証・衛気栄血弁証などがあります。

八綱弁証とは陰陽説を応用した基本的な人体の観察法で、「表裏」・「寒熱」・「虚実」・「陰陽」という文字通りの八つの基準があります。特に、陰陽は重要で残りの六つを総括するものとされていますが、その理由は中医学では人体は陰陽のバランスによって維持されていると基本的に考えられているためだからです。

しかし、陰陽の区別は相対的であまりに抽象的なものですから、

●病気の場所が浅いか深いか・・・表裏
●病気の性質が寒性か熱性か・・・寒熱
●身体の抵抗力と病気との力関係・・・虚実

という六つの具体的な判断点を設けて、病位・病性・病勢を調べることにしたのでしょう。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371



◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。

※この記事の著者、城戸克治のプロフィールはこちら