ハンセン病の激痛の苦しみから患者さんを救う薬としてサリドマイドは再び甦りましたが、その外にも全身性エリテマトーデス・ベーチェット病・エイズによる潰瘍などの難治性の皮膚粘膜病変にも有効なことが
現在では分かっています。
また、サリドマイドはハンセン病の治療薬として承認された年に、骨髄腫の治療薬としての認可もFDAから与えられています。骨髄腫はガンの中でもとりわけ痛みが強い特徴があり、他の治療法で効果が上がらない場合にサリドマイドが投薬され、約3分の1の患者さんの症状が改善したというデータがアメリカでは報告されています。
しかし、現在、世界中でアメリカとブラジルの二ヶ国でしかサリドマイドは製造されていないため、個人輸入という形でしか日本の患者さんは入手することが出来ません。
サリドマイドを服用している骨髄腫の服用患者の約30%に血栓症が発症するなどの報告があったり、免疫力が低下してしまうなど、患者さんにとってその効果は、決してよい面ばかりではありませんが、他の治療法で効果が得られない激痛に苦しむ患者さんにとって、サリドマイドは救世主的な役割を果たしてくれる場合があります。
※昨年の今頃、坂口厚生労働大臣がサリドマイドの個人輸入や使用の実態について調査する考えを示し、国内の製薬会社にサリドマイド製造を打診しています。しかし、調査の結果、かなりずさんな管理状況であったため、厚生労働省は、サリドマイドの管理・使用手続きの厳格化・患者や家族への情報提供などを欧米並みに徹底するように関係者に通知したという話です。
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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)
◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371
◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。
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