正常な脈の状態は「平脈」といい、脈の位置は浅くも深くもなく、脈拍は速くも遅くもなくゆっくりと穏やかで力強くリズムも規則正しいものです。また、平脈は年齢・性別・体質・精神状態などによっても、いろいろと影響を受けやすいものです。
例えば、若い人では力強い脈を示しますが老人になってくると脈もだんだん無力になってきますし、やせている人では浮脈の傾向が太っている人では沈脈の傾向が多く見られたりします。さらに、緊張したり・ストレスが溜まったり・痛みの症状があったりすると、脈診の3本の指が1本の弦に触れたように感じられる「弦脈」が出現したりする場合があります。
また、妊娠している場合には、脈拍がそろばんの玉が滑らかに転がるような感じの「滑脈」という脈が現れることがあります。この脈は、食べすぎ・飲みすぎなどで消化不良を起こして宿便が溜まっている場合や慢性の強い便秘、身体に熱がある場合にも現れます。
逆に、脈拍が滑らかでなくまるでナイフで竹を削るときのように細くて遅い短い脈は、「渋脈」と呼ばれています。無力な渋脈は血液などの不足を示しており、力強い渋脈の場合はストレスなどが原因で気の流れが悪くなって血液がうまく循環していないことを示しています。
※自分で脈診をする方法
(1)まず、右手を手のひらを上にして机か台の上におく。
(2)次に、左手で右手首を下からつかむ。
(3)そして、右手首の親指の付け根の小さい骨の突起のある部分に、左手の中指があたるようにして人差し指・中指・薬指をあて、指に触れる感じから脈の状態を調べていきます。
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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)
◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371
◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。
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