ホメオスターシス(恒常性)の働きで、血液中の成分や濃度はある一定の状態に保たれています。よく、新聞や雑誌の広告などで、血液が酸性やアルカリ性に変わるなどのおかしな表現を見かけることがありますが、血液は常に弱アルカリ性(PH7.4)を保ちながら静脈や動脈の中を粛々と流れています。

また最近、「血液サラサラ」とか「血液ドロドロ」などといった話題をいろいろなところでよく耳にしますが、静脈や動脈のような太い血管の中を血液が油のようにドロドロと流れていたりすることはまずありません。血してみれば分かることですが、誰の血液でもトマトジュースを水でうすめたような適度な粘性を持って割り合いにサラサラとした形状をしています。

現在、血液サラサラ・ドロドロは、赤血球や白血球が変形しなければ通れない、毛細血管のような非常に細い部分を血液がどれだけスムーズに流れるかを特殊な機械で判定しているようですが、このことは中医学的な観点からみても身体全体の健康状態を計る大きな指標になるものと思われます。

なぜなら、中医学には「於血は、百病の源」という考え方があり、それは毛細血管の血流障害がすべての病気の原因になる可能性があるということを意味しているからです。

今のところ健康診断で計れるのは、赤血球や白血球、血小板、コレステロール、中性脂肪などの種類や数値だけですが、血液を総合的に判断するという意味で毛細血管の血流を測定する時期がいずれそのうちにやって来ることでしょう。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371



◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。

※この記事の著者、城戸克治のプロフィールはこちら