第230回 非常に危険、悪魔の聴診器?

前回の続きになりますが、
抗生物質に対して
耐性菌が出現するには、
次の二つのケースが考えられます。

まず、抗生物質の使用によって
大多数の菌が死滅しても生き残った、
最初からその抗生物質に対して
耐性を持っていた菌が増殖をした場合。
もう一つは、菌が突然変異を起こして、
抗生物質に対する
耐性の遺伝子を獲得し増殖した場合です。

特に後者のケースは問題で、
抗生物質に対する耐性の遺伝子が
他の種類の菌へと伝達されるケースがあることも
判明してきています。

例えば、
ペニシリンに対して耐性を持つ
病原性が弱い大腸菌から、
耐性を持っていないが
病原性が強いブドウ球菌などへと
耐性の遺伝子の伝達が起きた場合には、
ペニシリンが効かない
病原性が強いブドウ球菌が出現する可能性が
大いにあります。

現に、抗生物質が効かない菌として
病院などで非常に怖れられている
「MRSA」と呼ばれる
メチシリン耐性型の黄色ブドウ球菌は、
人に対しての病原性も強く、
ペニシリンの武器である
「細胞壁の合成阻害作用」の影響を受けない
細胞壁を合成する遺伝子を持っています。

また、少し余談になりますが、
現在、米国では院内感染の原因に
聴診器がやり玉に挙げられています。
聴診器は日常、多数の患者と
直接的に接触している器具にもかかわらず、
ほとんど消毒されることはありません。
アメリカの有名大学医学部の調査によれば、
聴診器の約80%が
微生物に汚染されていたというデータがあります。

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