第220回 医師に一番必要な資格とは

京都府丹波町の鳥インフルエンザ事件で
家畜伝染病法違反の罪に問われた
浅田農産の社長が
「会社を守ることばかり考え、世間に迷惑をかけた」
と、通報遅れと隠ぺい工作のすべてを認め、
涙を浮かべながら
罪を償いたいと静かに語ったそうです。

「インフルエンザだったら、倒産も覚悟せなあかん」
と、会社がなくなる恐怖から
感染の現実を受け止められず、
隠ぺい工作をしたのは
決してよいことではありませんが、
両親の会長夫妻が責任を感じて自殺、
自分も離婚し家族と別れ、会社も廃業と聞くと
何だか気の毒で、一方的に責める気にもなれません。

また、裁判では、起訴事実のすべてを認め、
「養鶏業者は感染の脅威におびえて生きている。
 政府には“第二の浅田”が生まれないよう、
 予防策をしっかりとってほしい」
と最後に付け加えたという話ですが、
確かに、行政側が養鶏業者に
こうした場合の温情ある対応策や
救援策を始めから示しておいてあれば、
被害はもっと少なくなり
事件も防げたと思うのです。

日本は民主主義国家というわりには
国民に冷たく、イラクの人質問題にしろ、
北朝鮮の拉致問題にしろ、
政府の態度は自国の国民に対して
あまり愛情を持って接しているようには
残念ながら見受けられません。

たとえ現実的には難しいことでも、
心情的に少々腹が立っても、
相手が弱い立場におられる場合には
優しく言葉を選んで
対応してあげることも必要な時があります。
そして、それは医療関係者の
患者さんへの対応にも言えることです。

『男はタフでなければ生きて行けない、
 優しくなければ生きている資格がない。』
名探偵フィリップ・マーロウのセリフですが、
それはそのまま政治家や医師にも当てはまります。

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