何年か前までは、
病院や医院は薬を出せば出すほど
儲かる仕組みになっていましたが、
近ごろは少々事情が違ってきています。

なぜなら、病院や医院が
国民健康保険や社会保険などの
健康保険組合へ請求できる
国で決められた薬の価格(薬価)と、
製薬会社や卸問屋などから
実際に納入される薬の価格の差が
ほとんどなくなってきたからです。

以前は、極端な例を挙げれば、
一部の抗生物質などは
薬価の20%程度の価格で
納入されていたこともありますし、
サンプルという名目で
現物を支給してツジツマを
合わせていたところもありました。

現在は例外もありますが、薬価差は
5~10%程度に落ち着いてきています。
「一割近くあるのなら、まだ儲かるじゃないか」
と言われるかもしれませんが、
保険医療で薬を
患者さんに渡す場合には、
病院でも薬局でも
消費税は請求できないことになっています。
しかし、薬の仕入れ価格には、
消費税5%分がかかってきますから、
最低5%の薬価差がないと
逆に薬を出すほど損が生じるわけです。

また、2年に1回、
4月1日に行われる薬価改定により、
ほとんどの薬の薬価は切り下げられます。
例えば、3月31日に仕入れた薬の薬価が
いくら100円だったとしても、
4月1日の薬価改定により
薬価が80円になってしまったら、
80円の金額でしか保険請求はできないわけです。

本来なら、患者さんの診療に
割かれるべき医師の時間や能力が
こういった煩わしさで
ずいぶんと浪費されていたのですが、
医薬分業の進行で
それらはかなり解消されるようにはなってきました。
しかし、これはよく考えてみれば、
薬価差益の矛盾が解消されたのではなく、
単に薬剤師のほうに丸投げされただけのことです。
厚生労働省の方々の一考を、強く望みます。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

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