第194回 「ガンの殺し方、教えます」

わが国でも、白血病の治療に
骨髄移植が行なわれておりますが、
移植後に問題になるのは拒絶反応で、
これを上手に抑えないと
移植された骨髄細胞が定着できず、
患者さんは亡くなってしまいます。

日本では拒絶反応を抑えるために
免疫抑制剤のシクロスポリンと
ステロイドの組み合わせがよく使われますが、
それと同じ効果が
サリドマイドにもあることが分かっています。

サリドマイドが免疫を抑制する仕組みは、
「腫瘍壊死因子(TNF)」という
細胞間の情報伝達物質の合成を
阻害するというものです。
※有名なインターフェロンも
腫瘍壊死因子と同じく、
細胞間の情報伝達物質の一種です。

腫瘍壊死因子は
白血球の仲間である
マクロファージから分泌され、
ガン細胞の遺伝子をバラバラにしたり、
ガン細胞に血液を供給する
血管を壊すという方法でガンを攻撃します。
※ガンやエイズの末期など
腫瘍壊死因子が増え過ぎた場合には、
貧血・食欲不振・全身性発熱・体重減少など
「悪液質」と呼ばれる症状が逆に引き起こされます。

サリドマイドが移植の場合の
免疫抑制剤として有効と考えられているのは、
移植された細胞がガン細胞と同じように
免疫細胞に「異物」と認識されて、
腫瘍壊死因子の攻撃を受けることを
防いでくれるためです。

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