第123回 「願作桂林人、不願作神仙」

タイトルの文章は、「願わくば神様になるよりも、桂林の人になりたい」という意味ですが、桂林は山水明媚で有名な金木犀(きんもくせい)の香りに包まれた中国広西省に位置するとても優美な観光都市です。

また、「蘇州夜曲(そしゅうやきょく)」というサントリーのウーロン茶のCMにも使われた美しいメロディーと詩を持つ有名な歌がありますが、私はこの歌を聴くと何故か桂林の景色を思い浮かべてしまいます。距離的には、蘇州と桂林とはかなり離れていますが、蘇州は杭州とともにこの世の極楽浄土と呼ばれた所ですから、イメージ的には桂林とよく似た雰囲気があるようです。

先日、蘇州夜曲と白い巨塔のテーマ音楽であるアメイジング・グレイスを聴く機会があったのですが、この二つの歌には東洋と西洋のそれぞれの生活や思想の違いが大変よく表れているような気がします

例えば、アメイジング・グレイスには自分の心の中にある神というものに全てを捧げ人生の問題を解決して行こうとする意志が感じられますし、蘇州夜曲のほうには自然の流れの中に人生の在り方を見つけるというような悟りの境地を感じます。また、公園においても、西洋では噴水のようなものを作りますが、東洋では自然の流れに沿った滝のようなものを好みます。

医学的な見地から説明すれば、西洋医学では手術や抗生物質などで「人間対病気の戦い」に勝つことが治療の中心になっていますが、東洋医学の場合では「病気と戦う」というよりもバランスを整えて身体を健康な状態に戻す方に治療の重点が置かれています。

※下記は「蘇州夜曲(そしゅうやきょく)」の歌詞になります。

「蘇州夜曲」

君がみ胸に 抱かれて聞くは
夢の船唄 鳥の唄
水の蘇州の 花散る春を
惜しむか柳が すすり泣く

花をうかべて 流れる水の
明日のゆくえは 知らねども
こよい映(うつ)した ふたりの姿
消えてくれるな いつまでも

髪に飾ろか 接吻(くちづけ)しよか
君が手折(たお)りし 桃の花
涙ぐむよな おぼろの月に
鐘が鳴ります 寒山寺(かんざんじ)

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