第11回 陰陽五行説 (その2・・・五行「1」)

日本では、白黒の区別を付けたがりますが、中国では、何でも五つに分けたがります。そして、それには訳があります。

実は中国の古代思想の根底には、「この世の物は、木・火・土・金・水という五つのものから出来ている」という、五行説という考え方があるのです。これら五つの物質は、いずれも古代中国人の身近にあった必要不可欠なものであったに違いありません。

云わば、化学でいうところの元素である、酸素・水素・炭素・窒素・鉄・金・銀・銅などの代わりに、木・火・土・金・水があるようなものです。そして、それらは互いに依存しながら、互いを生む循環である「相生(そうせい)」と互いに抑制し合う「相克(そうこく)」という二つの関係を持っています。この相生と相克の関係は、前回お話した陰陽の関係の応用とも考えられます。

この五行の相生をもう少しお話しますと、木は燃えて火を生じ、火が燃え尽きて灰になり土に還る、土の中からは金属が生じ、金属は夜露を付着させて水を生じ、水は木を育てる、といった関係です。また、相克とは、木は土を押しのけて新芽を出し、土は水の流れをせき止め、水は火を消し、火は金属を溶かす、金属は木を切り落とす、というような関係です。

このような五行説と前回お話した陰陽説は、やがて結びつき中国独特の考え方が出来上がってきたのです。

今日の中医学では、その中で現実にそぐわない部分は切り捨て、現実によくあてはまる部分や実際に役に立つ部分を取り入れ運用するようにしています。

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