「自国内で、新たな感染者が見つからなければ、28日にも新型肺炎の制圧をべトナムが宣言する」という新聞記事を目にしましたが、ベトナムが今回行ったような感染者を迅速に隔離して感染の拡大を阻止する方法は、新型肺炎のように治療手段がまだ見つからない伝染性の強い病気に対しては、必要かつ有効な方法です。
「病気=薬で治す!」というふうに、我々はすぐに考えてしまいますが、現在のような感染症によく効く抗生物質などが無かった時代には、伝染病に対しては隔離することが経験的に一番効果のある方法だったのでしょう。※漢方の古典的医学書として有名な「傷寒論」が書かれた頃も、伝染病が猛威をふるっていた時代と考えられています。当時、微生物は目で見ることが出来ないため、伝染病の原因は祟りや呪いであると恐れられていましたが、中医学ではそれなりの治療体系は出来ていたようです。
今回の<新型肺炎>SARSも、残念ながらまだ特効薬が見つかっていないため、どれだけ犠牲者を少なくするかということを最重点に考えていかなければならず、どうしても患者を救う点が後回しにされてしまっております。
また、SARSの診断キットはすでに使われていますが、予防に必要なワクチンの生産にはまだ6ヶ月以上掛かるといわれています。そのため、日本でも感染の予防と感染したときの対策を、各自で考えておくことが必要になってきています。※世界保健機関(WHO)の基準では、最初に感染が確認されてから、20日以上新たな感染者が出なければ「制圧」を表明できるとしています。
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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)
◆虎ノ門漢方堂◆
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◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。
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