開催趣旨: 創薬研究においてもオープンイノベーションやプレコンペティティブなどの 概念が注目され、従来型の特定の企業と大学研究室が共同研究契約を結ぶといったタイプとは異なる産官学連携が模索されている。例えば、NCATS(米国立先進トランスレーショナル科学センター)では、8つの製薬企業が臨床試験で脱落させた化合物58種についてその化合物の再利用のため適応症の再目的化を推進するプロジェクトを開始している。
本講演会では、米国、英国での産官学連携に直接のご経験をお持ちの講師からお話を伺うことで、日本の創薬・医療における新しい形の産官学連携を考えるきっかけとしたい。
日時: 2013年11月15日
場所: グランフロント大阪ナレッジキャピタル タワー
世話人: 水口賢司(医薬基盤研究所)、
森 浩禎(奈良先端科学技術大学院大学)、藤渕 航(京都大学)
プログラム
1.13:25~13:30 開催の挨拶
2.13:30~14:30 「米国におけるベンチャーの立ち上げと育成方法
ー 米国での再生医療 ベンチャーの立ち上げの経験からー」
城戸常雄(Stem Cell Medicine LLC, President & CEO)
3.14:30~15:30「新規開発がん診断・治療法
:臨床応用に即した開発方針と治験への 道筋」
小林久隆(米国立がん研究所,分子イメージングプログラム,
チーフ・サイエンテイスト )
4.15:50~16:40「欧州における産学連携の現状=ビッグファーマの
多くが参加するコンソーシアムEBI Industry programmeを題材に=」
池田和由(株式会社レベルファイブ)
5.16:40~17:30「企業内研究、国内産学連携および国際連携を
どう組み合わせるか=抗体創薬インフォマティクスを例に=」
白井宏樹(アステラス製薬株式会社 分子医学研究所)
福井県文化顧問 山根一眞氏と「ものごころの会」を結成
愛知万博のプロデューサーであり『メタルカラーの時代』の著者としても知られる山根一眞氏、東京理科大学 吉川友章教授、城戸克治ら総勢10人で「ものごころの会」を結成。※山根一眞氏は、2018年に福井県年縞博物館特別館長に就任されました。中学国語の教科書に年縞に関する読み物を書き下ろすなど、水月湖の年縞の研究事業にも深く携わっておられます。
ハイハイQさんデスは『ほぼ日刊イトイ新聞』の分家として、「みんながトクするみんなのインターネット」をモットーに邱永漢さんが主宰し、毎日情報を発信。10年間に渡り、約60名の執筆陣により多ジャンルに渡るコラムを展開した。「あまから手帖」編集顧問 門上武司さん、「医療エッセイスト」 米山公啓さんらと共に、城戸克治は漢方のコラムを担当する。⇒ 中医学事始め 読めばわかる本当の漢方とは ※邱永漢(きゅう・えいかん)、1924年台湾 台南市生まれ。1945年、東京帝国大学経済学部卒業。小説『香港』にて第34回直木賞を受賞。作家だけでなく、経済評論家としても有名。著書は『食は広州に在り』『中国人の思想構造』共に中央公論社、『食前食後 漢方の話』婦人画報社、『東洋の思想家たち』講談社、『貧しからず富に溺れず』実業之日本社、『賢者は中金持ちをめざす』読売新聞社、『ダテに年はとらず』PHP文庫、『お金をちゃんと考えることから逃げまわっていたぼくらへ』糸井重里共著 PHP研究所など、約400冊にのぼる。
希少キノコ「カバノアナタケ」成長速い菌株に改良 若狭湾エネルギー研・福井大(福井新聞より抜粋 2021.06.15)
敦賀市の若狭湾エネルギー研究センターは14日、福井大との共同研究で、寒冷地に自生する希少キノコ「カバノアナタケ」の成長が約3割速い菌株作出に成功したと発表した。また、品種改良した菌株からの抽出物の主成分は、効果の高い抗酸化物質と解明した。糖化は病気や老化の要因とされ、同センターは「糖化を抑制する保健機能食品につながるものと期待される」としている。※画像をクリックすると拡大します。
【糖化抑え 機能食品期待】
主成分は「3,4-ジヒドロキシベンザルアセトン」(DBL))で、抗糖化作用の確認は初めて。エネ研と福井大は5月28日、品種改良と主成分の解明の二つの研究成果について特許を出願した。
「カバノアナタケ」は北海道など寒冷地のシラカバなどに寄生し、黒いこぶ状になるキノコ。チャーガやシベリア霊芝とも呼ばれる。抗がん、抗ウィルス効果や抗酸化効果の研究報告があり、健康茶として取引されている。ただ、成育速度が十数年と遅く、近年は乱獲もあって「幻のキノコ」と言われているという。
エネ研と福井大は2018年8月から今年2月にかけ、共同研究「カバノアナタケによる抗糖化物質の生産とその解析」に取り組んだ。エネ研の加速器システムでイオンビームを照射し、液体表面培養での増殖速度が1.3倍となった変異株の菌株作出に成功した。
また、菌株から抽出した主成分がDBLで抗糖化作用があることを新たに突き止めた。指標物質アミノグアニジンと比較して、カバノアナタケ抽出物は3~4倍、DBLは13倍の抗糖化作用を確認したという。
研究責任者の福井大工学部物質・生命化学科の櫻井明彦教授は「将来的には、糖化阻害剤などの医薬品や抗糖化食品として販売され、年々増えている糖尿病の治療や抑制につながれば」としている。
※糖化:体内でタンパク質に余分な糖が結びつき、変性、劣化して老化物質「糖化最終生成物(AGEs)」が生成されること。この物質による細胞の劣化でしわやくすみ、しみとなって現れる。また、蓄積により糖尿病や動脈硬化、白内障、がんなどの発症につながるとされる。