※邱永漢(きゅう・えいかん) 第34回直木賞受賞。ユニクロ柳井正氏、イトーヨーカドー伊藤雅俊氏などからの信頼も厚く、経済評論家としても有名。著書は『食は広州に在り』『中国人の思想構造』(共に中央公論新社)をはじめ、約400冊にのぼる。虎ノ門漢方堂の城戸克治は、ほぼ日刊イトイ新聞「ハイハイQさん」で、漢方コラム「中医学事始め」を3年間に渡り連載する。 


初めまして、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治(きどかつはる)と申します。
昭和32年、越前市(旧 武生市)に三人兄弟の長男として生まれました。

ノーベル生理学・医学賞を後に受賞された、フランソワーズ・バレシヌシ教授を京都にお迎えして

研修先の薬局の社長に見込まれ、提携先の大手薬局チェーンの社長の婿養子になる話まで出ましたが、無理をして私たち兄弟を大学まで出してくれた年老いた両親の待つ越前市に戻ってきました。

当時、福井県は医薬分業率 ワーストNO.1ということで、日本薬剤師会、厚生省からかなり睨まれておりました。

しかし、青雲の志に燃えていた私は、「医薬分業は患者さんのためになる」と単純に思い、福井県薬剤師会の岸 彦平会長に直訴して福井県の医薬分業推進委員にさせていただきました。

岸会長は京都大学出の秀才でしたが、非常に謙虚で温厚な方で、年の離れた後輩の私の話を真剣に聞いて下さり、いろいろな意見も取り入れてくれました。中でもびっくりしたのは、「福井県薬剤師会会長によい人物を推薦して欲しい」などという電話がよくかかってきたことです。

「どうして、若輩者の僕なんかに相談されるのですか?」と尋ねると、「城戸くんの見識を高く評価しているからだ」と持ち上げてくれる教育上手な先生でもありました。何度も、厚生省や日本薬剤師会へ行かせてもらい薬局薬剤師指導者の資格まで取らせていただきました。

平成4年、漢方の見識を広めるため、中国最高峰の漢方系医療機関の1つである北京中医医院に、中医薬学と中成薬応用の研修を受けに行ってきました。

帰国してからも、日本の漢方との大きな違いにしばらく戸惑っておりましたが、勉強に勉強を重ね、どうにかモノにすることができました。

 

私のところには、薬剤師さんやツムラなどの漢方メーカーの方々、看護婦さん、お医者さんなどから漢方の相談がよく持ち込まれるのですが、おそらくそれは、こうした努力が評価されているのではないかと思っております。

平成12年には、愛知万博のプロデューサーであり、『メタルカラーの時代』の著者としても知られる福井県文化顧問 山根一眞氏、東京理科大学 吉川友章教授、 癌の患者学研究所代表 川竹文夫氏ら総勢10人で 「ものごころの会」を結成。

平成15年には、作家の邱永漢さんに見込まれ、『ハイハイQさん』で漢方のコラムを執筆。乗りに乗っている状態でしたが、父の看病のために中断。残念ながら、父は平成18年7月31日に、家族に見守られながら八十五年の生涯を閉じました。

「大地の子」で陸一心の父親役を演じられた名優、朱旭さんを表敬訪問

遺品の整理をしていると、父の洋服ダンスには背広がたった1着しかありませんでした。今でもその小さな古ぼけた背広を眺めていると、父がいかに苦労して 私たちを育ててくれたのかが思い出され、いつも感謝の念で胸が一杯になります。

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虎ノ門漢方堂アドバイザースタッフ
城戸常雄 医学博士(京都大学医学部卒、元アメリカ国立衛生研究所)
城戸宏美 看護師・登録販売者(福井県立大学卒、元福井大学医学部付属病院)