◆アトピー性皮膚炎は、アレルギー疾患の一種です。慢性に経過するかゆみの強い湿疹で、皮膚の乾燥あるいは発赤があり、発疹は額、首、わきの下、ひじや膝の内側に出ることが多く、耳切れや掻き傷があるなどの特徴を持ちます。また、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などの既往歴や家族歴のある人、IgE抗体を産生しやすい体質の人などに生じやすい傾向があります。


アレルギーとは、食物として食べる・空気と一緒に吸い込む・皮膚に接触するなどの経路で、身体に入った食物や異物に対する過剰な免疫反応のことを指します。

アレルギーの原因になる物質を抗原またはアレルゲンと呼びます。抗原には、 卵・牛乳・大豆・食品添加物などの食物性アレルゲン、ハウスダスト・カビ・ダニ・花粉などの吸入性アレルゲン、化学物質・金属・化粧品などの接触性アレルゲンなどの種類があります。

【一般的な治療】

アトピー性皮膚炎の一般的な治療には、・アレルゲンを除去する方法・薬を使って痒みを抑える薬物療法 があります。しかし前者は、アレルゲンとなるものが多種類に及んで特定できない場合には効果をあげにくく、また、厳密な実行は家庭での負担が大きかったり、栄養障害を招く恐れがあったりするので、結果的に薬物療法が治療の中心となっています。

薬物療法はステロイド外用剤(副腎皮質ホルモン)が中心です。症状によって、ステロイド外用剤を使い分けます。顔面や首などの皮膚の薄い部分は、ステロイドの吸収率が高くなるため、非ステロイド系の外用剤や保湿剤(ヒルドイド、ワセリンなど)、作用の弱いステロイド外用剤が使用されます。

また最近は、免疫抑制剤のプロトピック軟膏(タクロリムス)も多く使われています。外用剤だけで症状が抑えられない場合は、アレジオンなどの抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤の内服が使われます。しかし、これらはアトピーの体質を治す根本的な治療法ではなく、かゆみや炎症を一時的に抑える対症療法にすぎません。劇的に改善しても、使用を中止すると症状はリバウンドします。

ステロイド外用剤を長期連用する場合の問題点は、

1.皮膚が薄くなる
2.皮膚の感染症に罹りやすくなる
3.皮膚の赤みが増す
4.薬の塗布部分の毛が濃くなる
5.ニキビが悪化する

などの副作用があることです。

ステロイド皮膚症と呼ばれる深刻なリバウンドやアトピー性皮膚炎自体の難治化を招く原因にもなります。

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虎ノ門漢方堂アドバイザースタッフ
城戸常雄 医学博士(京都大学医学部卒、元アメリカ国立衛生研究所)
城戸宏美 看護師・登録販売者(福井県立大学卒、元福井大学医学部付属病院)

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