肌の色・ツヤを見る場合、注意したい点が2つあります。

まず、どの部分を観察するかです。日焼けした部分や皮膚が硬化している部分は、特殊なケースを除いてあまり参考になりません。また、女性の場合は化粧をしますから、顔もあてにできません。本来の肌の状態がよくわかるのは、喉元や腕の内側の部分です。

次に、蛍光灯などの人工的な光では本来と違う見え方をすることがありますから、自然な光の中で観察することです。

皮膚の主な原料は、タンパク質や脂肪です。つまり、食べ物が口から胃腸に入って消化吸収されなければ、皮膚は造られないということです。当然、肌の色・ツヤは胃腸の調子、食事内容に左右されます。

人間の細胞は受精してから分裂を開始し、外側・中側・内側となる3つの部分に分かれます。さらに、外側は皮膚や神経など、中側は筋肉・骨・生殖器など、内側は胃・腸などの消化管や肺にそれぞれ分化していきます。

中医学では、肺を丈夫にするのに胃腸の調子を整える方法を使うのですが、肺・胃・腸は形や機能が違っても元は同じグループという、現代生物学の常識が中医学の理論と不思議にオーバーラップしています。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371



◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。

※この記事の著者、城戸克治のプロフィールはこちら