先日、NHKのテレビ番組で、地方病院での慢性的な医師不足の問題が取り上げられておりました。一般に、医師は高い給料をもらって仕事も楽そうだと思われていますが、現実にはそうでない場合も多いものです。私は、この番組を見ていて、地方病院で患者さんのために奮闘されている読者のI 先生の姿を思い浮かべました。
また、世間一般の人たちや新聞・テレビなどのマスコミは、医師や看護士さんなどの医療スタッフにどうしても完全無欠であることを求めがちになりますが、医師たちも人間ですから眠ったり休息する時間や
家族と一緒に安らぐ時間もやはり必要です。
特に、やさしく真面目で優秀な医師や看護士さんたちほど、患者さんのことを心配して仕事熱心になり、自分の身体や家族を犠牲にしがちです。しかし、いつまでも肉体や精神の疲れを回復させることも出来ないままに勤務を続けていることは、正常な思考能力や判断力などを鈍化させるだけでなく、医師や看護士さんなど医療スタッフの寿命までも短くしてしまいます。
※聞くところによりますと、医師の平均寿命は58歳だそうです。もし、それが確かなら、生涯賃金の面でも決して割のいい仕事ではありませんし、使命感がなければ長く続けれる仕事でもありません。
「年金問題」でもそうですが、根本的な部分を改めずにちょっとした手直しばかりでお茶を濁し続けていると、手続きや制度だけが複雑化して手の打ちようがなくなってしまうことがあります。
地方病院での医師不足の問題でも、日本の医療全体の問題でも、根本的な部分をよく考えて解決の道を早急に図らないと、年金の問題と同じように大変なことになってしまう可能性は大です。日本人は何事につけても精神論で乗り切ろうとする傾向が見られますが、短期間の場合にはうまくいっても長期間に渡る場合では息切れしてしまい、最後は悲惨な状況に陥る恐れが十二分にあります。
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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)
◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371
◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。
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