カゼを風邪薬で治すことは出来ませんが、抗生物質で治すことも出来ません。というのは、カゼは細菌ではなくウィルスが原因の病気だからです。
また、一般に抗生物質はどんな「バイ菌」に対しても効果があるように思われているようですが、それは大きな誤解でウィルスにはほとんど効果がありません。
なぜ抗生物質がウィルスに使えないのかといいますと、簡単にいえば細菌に比べてウィルスは非常に小さく人間の細胞の中で繁殖することができるからです。そのため、ウィルスを攻撃しようとすると人間の細胞までダメになってしまいますから、ウィルスだけに効く薬をうまく作ることが出来ないのです。
それでも抗生物質を使う理由は、カゼが原因になって肺炎のような重い細菌性の疾患を併発する場合があるからです。しかし、抗生物質を予防に使い続けていると耐性が出来て効果がなくなったり、副作用で肝臓や腎臓がダメになってしまったりします。
最終的に、カゼを治すのは風邪薬や抗生物質ではなくて、私たち自身の身体が、免疫すなわち抗体を作ってカゼを退治するわけです。あくまで、薬は補助的なものにしかすぎません。ですから、身体を安静にして休めることは本当に大切なことなのです。
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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)
◆虎ノ門漢方堂◆
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◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。
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