病気の部位や性質から病気の原因を知ることができたら、その原因がどこからきているのかを・外因(環境など外部的要素が原因となっているもの)・内因(人間の感情などの内部的要素によるもの)・不内外因(外因でも内因でもないもの)の3つに区別して考えていきます。これを「病因弁証」といいます。
まず、「外因」には気象状況などの変化を元に考えられた風・寒・暑・湿・燥(乾燥)・火(熱)の6つの外部的な要素があげられています。なお、ウィルスや細菌などの病原菌は、目に見えないため中医学が出来た時代には気候などに由来するものとして考えられており、現在もそのまま外因の仲間に含まれています。
「内因」は七情とも呼ばれ、怒る・喜ぶ・憂いる・思う・悲しむ・驚く・恐れるの7つの感情を指しており、それらの感情によって内臓が異常を起こしたり、逆に内臓の障害によりそれらの精神状態の異常が引き起こされたりするというふうに考えられています。こういった精神と肉体がお互いに影響を及ぼし合っているという考えは、現代の最新医学の研究でも徐々に明らかになりつつあります。
「不内外因」というのは、漢文の読み通り内因でも外因でもないものということです。ほとんどが生活習慣に関することで、飲みすぎ食べすぎなどの飲食の不摂生や寝不足・寝過ぎ・働き過ぎ・遊び過ぎ・怠け過ぎ・、過度の性生活などからくるものをいいます。また、外傷や虫さされなどの場合も、この中に含まれます。
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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)
◆虎ノ門漢方堂◆
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TEL 0778-22-2371
◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。
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