脂肪やコレステロールといういくつかの例外はありますが、日本人はどういうわけか、過剰なものより不足しているものに神経質になる傾向がどうもあるようです。

ここ数年来、テレビの健康番組、雑誌・チラシなどに掲載されている健康食品やサプリメントの広告を見ても、「○○○は年齢とともに身体から減少し何々の弊害が生まれるので、補給しなければならない」などといった、不足を強調した表現がやけに多く目につきます。しかし、現代の日本は肥満、糖尿病、高脂血症など、不足より過剰症に注意しなければならない病気のほうが遥かに増加してきています。

落ち着いて考えれば分かることですが、年齢とともに人間の生産能力はだんだんと低下していきます。つまり、身体に必要な成分が徐々に減少していくのはある意味至極、当然の結果といえるのです。それにも関わらず、自然に減少していくものを過剰に補給してしまった場合の弊害が問題にされることは、まずありません。理由は、“お金儲け”に直結しないからです。

しかし、企業のお金儲けにはならなくても、老化に伴い自然に減少するものには妊婦が貧血になるような必然性が何か隠されている気が、私には致します。

例えば現在、大きなブームになっているCoQ10の主な働きにエネルギー産生という項目がありますが、エネルギーを産生するということは活性酸素を生成することでもあるのです。つまり、年齢とともにCoQ10が減少するのは、活性酸素の害から免疫力が衰えた身体を守るための人体に備わった防衛手段なのかも知れません。

※CoQ10は、ユビデカレノンという名前で30年以上も前から日本の薬価基準に収載されている医療用医薬品です。適応症は、基礎治療施行中の軽度及び中等度のうっ血性心不全、消化器系統や過敏症の副作用もあります。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371



◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。

※この記事の著者、城戸克治のプロフィールはこちら