タンパク質を過剰に摂取した場合、腎臓を傷めることがあるのは腎臓の血管に大きな負担が掛かるからです。腎臓は左右に2つありますが、実は身体全体の0.5%ほどの大きさしかない意外と小さな臓器です。ところが、この小さい臓器に流れ込む血液の量は、身体の中を流れる血液全体の約25%もの量があるのです。

また、腎臓の中に数多く存在している、血液を濾過し尿をつくる働きを持つ糸球体とよばれる非常に大切な器官はすべて毛細血管からできており、この部分に掛かる血圧は他の臓器の毛細血管に比べ約4倍も高い圧力といわれています。

リンはカリウムとともにほとんどの食品に存在する物質ですが、タンパク質には他の栄養素に比べてかなり多くのリンが含まれているため、タンパク質の大量摂取は血液中のリンの量も大幅に増加させます。そして、過剰になった血液中のリンは血管壁にカルシウムを沈着させて、動脈硬化の進行を促進したり腎臓の糸球体の毛細血管を痛めつけます。

さらに、タンパク質を体内で処理した後の燃えカスは酸性を示し血液をアシドーシスへと傾かせますが、腎臓は、血液中に増加した余分な酸性物質を尿に溶かして身体の中から排泄し、血液を元の正常な状態に戻そうと一日中、頑張って稼動を続けます。

現在の日本人の食生活は以前と比べて、肉や魚、乳製品といったタンパク質を多く含んだ内容になっているため、腎臓の負担はどうしても大きいものになりがちです。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371



◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。

※この記事の著者、城戸克治のプロフィールはこちら