血液の酸性度がpH7.35以下になった状態を、アシドーシス(酸性血症)といいます。どうして、アシドーシスが身体によくないのかといいますと、細胞内に保持してある多量のカリウムが細胞の外へと流れ出して高カリウム血症を発症してしまうからです。

高カリウム血症になると神経間の伝達が阻害されるため、筋肉の運動だけでなく、人間の生命活動の中心である中枢神経の働きも維持できなくなります。

また前回、タンパク質の取り過ぎで血液が酸性に傾くという話を致しましたが、逆に、ダイエットや発熱・病気でタンパク質不足の状態が続いても、アシドーシスが起きることがあります。

なぜなら、人体は飢餓状態に陥ると、エネルギーの不足を解消するために脂肪だけでなく、筋肉や内臓を構成しているタンパク質まで燃焼させてエネルギーを補おうとする場合があるからです。

特にダイエットは注意が必要で、多くの方が減量のためにカロリーを落とすことについつい夢中になりがちですが、人間の身体を構成しているタンパク質の組成をよく考えて実行しないと、肝心の脂肪はほとんど減らずに大切な筋肉や内臓のタンパク質ばかりが大幅に減少して、健康を害してしまいます。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371



◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。

※この記事の著者、城戸克治のプロフィールはこちら