通常、タンパク質といえば肉や魚、乳製品、玉子などの動物性食品がまっ先に頭の中に思い浮かびますが、米や小麦、大豆、トウモロコシ、ジャガイモ、バナナなどの主食にされる植物性食品の中にもタンパク質は少なからず存在しています。
またご存知の通り、タンパク質は私たち人間が生きていくために絶対に欠かせない栄養素なのですが、取り過ぎると、一時的に血液が酸性に傾いてしまって身体に悪影響を及ぼす場合があります。
なぜ、タンパク質が酸性化に関係しているのかといいますと、それはタンパク質が多数のアミノ酸からなる集合体であるからです。つまり、タンパク質が身体の中で代謝されれば、必然的に酸性の物質が生まれてくるということです。
健康な人間の血液の酸性度は、pH7.35から7.45までのほとんど中性に近い弱アルカリ性の範囲内に収まるように絶えず身体の中で、微調整されています。しかし、黒酢など食物中の酸や代謝の過程で体内に産生した酸がスムーズに体外に排泄されなかったり、酸を中和してくれるアルカリ分が下痢で大量に失われたりすると、酸性の度合いが強まって人体にいろいろと支障をきたすようになります。
しかし、テレビの健康番組や健康雑誌などで叫ばれているように、“血液が酸性になる”ことは、普通に生活している人間ではめったに起こるものではありません。血液のpHが7.0以下の状態すなわち酸性になれば、通常、人間は昏睡状態を起こして死亡しますから。
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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)
◆虎ノ門漢方堂◆
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◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。
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