現在、日本の病院で大きな混乱が起こりつつあります。なぜなら、今月から個人情報保護法が施行されたからです。病院によっては、外来の患者さんを名前でなく番号で呼んだり、病室から入院患者さんの名札を外して記号で表示したりする動きさえ出ています。

誰がどの科を受診しているのか、また入院しているかどうかなどの情報を、本人の同意なく他人に教えると個人情報保護法に抵触してしまうため、こういった措置が予防的に採られているわけですが、「名前で呼ばないと、患者の取り違えなどの事故に繋がりかねない」「患者の個人情報保護に神経質になるよりも、病気を治すことのほうが先決」「患者名が他人に分からないようにして、事故が起きたら大変。医療の安全の方が大事だ」などといった現場の声もたくさん挙がってきております。

厚生労働省のほうでも、個人情報保護に関する事例集を3月末になってようやく公表しましたが、外来患者を名前で呼ぶことなどについて、「患者名は個人情報だが、どう受け止めるか患者によって様々で、医療機関が対応可能な方法を取ることが必要だ」といった程度の見解しか示しておらず、日本的曖昧さで相変わらず傍観を決め込んでいるようです。

「上に政策あれば、下に対策あり」とは、よく耳にする中国人の処世の言葉ですが、今回の厚生労働省の無責任な対応ぶりを見ていると、これからはこのような中国的発想が日本人にも必要な時期が来ている気がします。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

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〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371


※ Q先生:邱永漢(きゅう・えいかん)
第34回直木賞受賞。経済評論家としても有名。
ほぼ日刊イトイ新聞「ハイハイQさん」で、城戸克治はコラムを3年間連載する。

※ この記事の著者:主任薬剤師 城戸 克治 プロフィール