一般に日本では、漢方とは漢方薬を飲むという意味合いで使われる場合がほとんどのようです。しかし実は、漢方とは漢方薬を飲むという行為だけを指す言葉ではなく、長い間の経験によって導きだされたある種の治療体系全体を指している言葉なのです。

ですから、漢方の中には漢方薬のほかに鍼とかお灸などの治療法もありますし、食事や生活の仕方によって病気を改善する養生法の知恵もあります。つまり、漢方薬を使わない漢方の治療法がいろいろあるというわけです。

また、薬剤師という職業も現在の日本では、薬を販売したり処方せんの薬を調剤する職業というふうに一般の方たちには思われているようですが、それは薬剤師に求められるべき職能のほんの一部にしかすぎません。

昔のように、薬自体の効き目も弱く種類も少なかった時代には、そういった仕事だけでもよかったのですが、現在のように、薬自体の効き目も強くなって種類もたいへん増加してきている状況では、薬の販売や処方せんの薬の調剤よりも薬の飲み合わせ、相互作用についての知識のほうがより大切な問題になってきています。

つまり、言い換えれば、使用する薬の量や種類を減らし副作用の発生の可能性をできるだけ少なくし、なお且つ、治療の効果や治療の質を上げることができるかが、これからの薬剤師の重要な仕事だということが言えます。

虎ノ門漢方堂のダイエットとは
更年期障害・自律神経失調症・鬱
腰・肩・関節・ひざの痛み・リウマチ

友だち追加

◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371



◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。

※この記事の著者、城戸克治のプロフィールはこちら