新潟県中越地震で、避難所に行かず、自家用車などの車中で過ごす被災者の方たちが増えているそうですが、それにはよほどの注意が必要になります。

なぜなら、狭い車の車内で身体をすくめて長時間過ごす生活は、まさに飛行機の長時間フライトで発生する「エコノミークラス症候群」の発症パターンに極めて類似しているからです。

24日から25日にかけても車の中で避難生活をしていた3人の方が死亡し、疲労に加え余震の恐怖と寒さ、支援の食糧などの不足がその背景にあるとニュースでは報道されていましたが、いずれの方の場合も急性心筋梗塞や急性心不全で亡くなられていることを考慮すると、やはりエコノミークラス症候群に似た症状が発症した可能性が高いと思われます。

エコノミークラス症候群の本質はいわゆる血栓症で、心筋梗塞や脳梗塞が多発しますから、その予防に、「適度な水分の補給」「身体を圧迫した姿勢をなるべくとらないようにする」「適度に身体を動かす」ことなどが大切になります。

また、水分を補給する場合に特に注意したほうがよいと考えられるのが、お茶やコーヒー、ドリンクなどのカフェインを含む飲料を避けることです。なぜなら、カフェインには利尿作用があり、いくら水分を補給しても出て行く水分も多く身体に必要な水分を溜め込むことが出来ません。現在の新潟県の状況や気候を考えると、水分を補給するには「お湯」が最適と云えます。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

◆虎ノ門漢方堂◆
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TEL 0778-22-2371



◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。

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