もし、あなたの舌の両方の縁(ふち)の部分の色が青紫色とか暗い紅色になっていたら、あなたはストレスが溜まって気の巡りが悪くなっている可能性があります。(舌苔は白くて薄い)・・・中医学的にいえば、「気帯」という状態です。
よくある症状は、胸のつまったような感じ・胃がもたれた感じ・お腹が張る・便がすっきり出ない・ガスがたまる・イライラしやすい・気分が落ち込みやすい・ため息が出るなどです。また、胃腸の内容物が停滞したままになるため、食欲不振や腹痛が起こったりすることもあります。その場合の痛みの特徴は、痛みが時間や精神的なことでも増減したりすること及び痛みのある部分が一定しないことです。
中医学では、これらの症状は気が停滞していることを表わすサインであると考えられています。こんなときは、陳皮(ちんぴ・・・ミカンの皮)・柴胡(さいこ)・厚朴(こうぼく)・木香(もっこう)などの気を動かす働きのある生薬が配合された漢方薬を主に使って治療していきます。
おすすめしたいのは、気分がすっきりするような良い香りを持つものです。セロリ・青じそ・パセリ・春菊・ミント・ジャスミンなどの香野菜やハーブを上手に料理に利用しましょう。
控えたい食べ物は、もち米で出来たもの・粘りのあるもの・油っこいもの・消化しにくいものなどです。理由は、粘るものとか油などは停滞する性質を持ち、それらを取ると気の流れも停滞すると考えられているからです。
このタイプは、ストレスを溜め込まないように生活や仕事の工夫をすることがとても大切です。また、体を動かすことは気を動かすことにもなりますから、毎日少しでも体操・運動・散歩などで体を動かして気分転換するようにしましょう。
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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)
◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371
◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。
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