顔色が以前より黄色っぽくなってきたら、中医学では「脾・胃」の異常を疑います。但し、黄疸(おうだん)で黄色っぽくなっていることもあります。そんなときは、目のまぶたをまくると黄色かったり、ものをさわっても黄色になったりします。その場合は、迷わず病院へ行かれたほうがよいでしょう。

中医学の脾・胃は、現代医学でいう消化器系の作用の大部分を指していると考えられています。まず、胃が飲食物を受け入れ簡単な消化吸収を行い、次に小腸の方へと運びます。脾は小腸で取り出された水穀の精緻(栄養素のようなもの)を肺へと運び、肺は空気中の清気(水素・酸素などに相当)と結合させ、宋気(エネルギーのようなもの)と血液などを作ります。そして、宋気と血液は全身を巡り、気や身体を養います。

脾の働きが衰えると、食欲不振・軟便・下痢などの症状だけでなく、筋肉もやせて手足の力もが弱くなります。また、太っていても、いわゆる水太りです。こういう状態を脾気虚といい、状態が進むと筋肉の力はさらに衰えて内臓を上にうまく引き上げることが出来なくなり、胃下垂・子宮下垂・脱腸・脱肛・遊走腎などの症状が起こりやすくなります。妊娠している場合も注意されたほうがよいでしょう。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371



◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。

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