花粉症とは、体内に侵入した異物から身体を防御しようとする生体反応の一種で、免疫細胞がIgEと呼ばれる抗体を作り体内から花粉を追い出そうと働きます。つまり花粉症になると、くしゃみや鼻水、涙目などの症状が頻繁に起きるのは、異物すなわち花粉を追い出そうとする人体の生理的現象であるということがいえます。

しかし、花粉症の患者さんにステロイドを使うと、異物を排除しようと働く“免疫機構”そのものが抑制されるため、どんなに花粉症の症状が重くても面白いように症状を解消することができます。

ではどうして、そんなに効果の優れたステロイドを花粉症に使わないのかといいますと、その一番大きな理由は、外部から細菌、ウイルスなどの異物が体内にノーチェックの状態で侵入しやすくなり、重篤な感染症にかかる危険性が非常に高くなると考えられているからです。

例えば、今年のように花粉の量が例年に比べて30倍以上も多く、なおかつインフルエンザの流行が遅れて発症時期が運悪く重なってしまった場合など、ステロイドの使い方によほど注意しないと重い感染症を引き起こしてしまう恐れが多分にあります。

また、ステロイドの点鼻薬の場合、含まれているステロイドの量も少ないし身体の中に吸収されにくく作られているため、重い感染症を引き起こす心配はほとんどないと思われておりますが、鼻の粘膜は外敵が一番、侵入しやすい部分であるわけですから、インフルエンザが猛威をふるっている時は使用を控えたほうがやはり無難でしょう。

虎ノ門漢方堂のダイエットとは
更年期障害・自律神経失調症・鬱
腰・肩・関節・ひざの痛み・リウマチ

友だち追加

◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371


※ Q先生:邱永漢(きゅう・えいかん)
第34回直木賞受賞。経済評論家としても有名。
ほぼ日刊イトイ新聞「ハイハイQさん」で、城戸克治はコラムを3年間連載する。

※ この記事の著者:主任薬剤師 城戸 克治 プロフィール