カキやハマグリなどの二枚貝は大量の海水を体内に取り込んで、プランクトンなどのエサだけを濾過吸収し生きています。同様に、海水中のノロウイルスもプランクトンのように二枚貝の体内に取り込まれ体内濃縮されます。

通常、このようなノロウイルスの濃縮は他のいろいろな二枚貝でも起こっているのですが、ノロウイルスは熱に非常に弱いため、十分に加熱調理さえすれば食中毒が起こる危険性はほとんどありません。

私たちが二枚貝を生の形で食べるのは、ほとんどが寒い季節のカキに限られております。それが、ノロウイルスによるカキの食中毒が冬場に多い最大の原因です。

また、トラフグなど河豚の仲間に毒があることは誰でも知っていることですが、最近の研究によれば毒もはじめから河豚の体内に存在するのではなく、ある種のエサを河豚が食べ続けることによってそのエサに含まれている毒が体内で濃縮されてゆき、強い毒性を示すようになるのだそうです。

ですから、そうした種類のエサを河豚が食べないような養殖の方法が開発されれば、そのうち毒のないトラフグが市場に出てくるようになるでしょう。しかし、毒のないトラフグの味が、毒のあるトラフグと比べて味が変わらないかといいますと、そんなことはおそらくないと思います。

なぜなら、漢方の食養生では、現在の食べているものが半年後の自分たちの身体を作るというふうに考えられているからです。つまり、食べ物の種類によって体質も変わるということです。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371



◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。

※この記事の著者、城戸克治のプロフィールはこちら