ロウィルスによる感染性胃腸炎が原因で7人の方が亡くなった広島県の特別養護老人ホームの場合、「単なる食中毒か感染症か、 判断を迷ってしまった」というふうに経営者が釈明していましたが、確かにノロウィルスの症状は単なる食中毒と見誤りやすいようです。

また、2003年度に保健所へ報告された食中毒の患者の約3分の1がノロウィルスによるものだったという話ですが、現在、このウィルスに効果のある薬はないため、感染の早期発見・予防が何よりも大切になってきます。

ここ数年来、水に対する関心が高まって水道水やプール水に添加される塩素の害が声高に叫ばれておりますが、ノロウィルスやO-157などの病原体は塩素に弱いというデータがあります。

私は小学校と中学校の環境検査をするため、年に何回か保健の先生や栄養士、調理員の方たちと顔を会わせるのですが、よく相談されるのは水道管の中がだんだん錆び付いてきて子供たちに生水を飲ませられないということです。

しかし、よく考えてみれば、これは錆びによって塩素の殺菌効果が落ちてしまい、水道水の中で病原体が繁殖しやすくなる危険性が高くなっていることも示しています。また、こうした問題は学校だけでなく、老朽化した水道設備を持つ施設や家庭などでも容易に起こりえる話です。

このところ、ノロウィルスの感染による被害が全国各地で急激に拡大しておりますが、その原因の1つとして、このような水道管の劣化による塩素濃度の低下もまったく考えられないことではありません。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

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〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371



◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。

※この記事の著者、城戸克治のプロフィールはこちら