我々、日本人の頭の中はいつのまにか物事の肝心な部分が見えにくい構造になってしまい、自分で考えることがほとんど出来なくなってしまったようです。

先日、NHKのテレビで「食べて治す」という題名の番組を1時間近くに渡って放送しておりましたが、その内容はあまりに当たり前の話でした。

病気を治すには薬だけでなく食事が大切である、といった内容の趣旨でしたが、そんなことはすでに何百年も前から分かっていたことです。現に日本や中国でも、「医食同源」とか「薬食同源」などという漢方の考え方があります。

また、免疫力を増やすのに食べ物が大切であると述べておりましたが、免疫細胞を構成している成分が主にタンパク質であることを考えれば、そうしたことに今まで気づかなかったほうがよほど問題です。

例えば、現代医学では血圧が高いと年齢に関係なくどうしても血圧を下げようとしますが、高齢者では動脈硬化が進んで血液が流れにくい状態になっていますから、やみくもに血圧を下げるのは三段論法的にいえば、血液の循環が悪くなって脳梗塞にかかる危険性が増すことにも通じます。つまり、注意すべきとされている高血圧でさえも、その方の年齢や身体の状態によっては必ずしも悪いものとは限らないというわけです。

現在の日本では、こうした自分の頭でちょっと考えれば分かるようなことが意外と多く、見落とされている感じがします。番組で紹介された、医師や看護師、栄養士、理学療法士、薬剤師たちの皆さんが食養生の基本を積極的に治療に取り入れている病院では、院内感染の割合いが40%以上も減少し患者さんの入院日数も大幅に短縮されたそうですが、そうした病院が全国でもっと多く増えてほしいものです。

虎ノ門漢方堂のダイエットとは
更年期障害・自律神経失調症・鬱
腰・肩・関節・ひざの痛み・リウマチ

友だち追加

◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371


※ Q先生:邱永漢(きゅう・えいかん)
第34回直木賞受賞。経済評論家としても有名。
ほぼ日刊イトイ新聞「ハイハイQさん」で、城戸克治はコラムを3年間連載する。

※ この記事の著者:主任薬剤師 城戸 克治 プロフィール