先天的に聴覚が鈍感であるとか、異常に丈夫であるというのなら話は別ですが、通常の構造の耳をした人間であれば楽器の奏でる大きな音や鋭い音質の音を毎日のように聞き続けることは、耳だけでなく身体のほうにも
物理的に大きな影響を及ぼすと思われます。

例えば中医学では、耳は五臓六腑の「腎」と関係が深く、聴覚に対しての物理的な刺激は腎に大きな影響を与えると考えられています。

中医学でいうところの腎は西洋医学の腎臓の働きだけでなく、骨髄から脳を生じてその華を髪に咲かせる働きも持っていますから、腎が弱ってくると物忘れがひどくなったり、髪の毛が潤いやツヤを失って抜けやすくなったり細くなったりします。さらに、髪の色がうすくなって白髪になったりすることも当然起こります。

「恐怖のあまり、一夜で白髪になった」という話を聞くことがよくありますが、中医学では、腎は恐れという感情に一番敏感なところとされていますから、それはある程度納得のできる話です。また、楽器の奏でる大きな音や鋭い音質の音も、腎に対して恐れのエネルギーになりえます。

五嶋みどりさんの場合でも、彼女に起こった原因不明の拒食症は精神的なストレスよりも楽器の音による物理的な刺激が主な原因でなかったのではないでしょうか。その証拠に、精神的なストレスを緩和する治療で効果が出なくても、身体が成長してきたら自然に拒食症が改善してきたと話されておりました。

つまり、少女時代の彼女には楽器の音の物理的な刺激が少々強すぎ、腎が一人前になるにつれて抵抗力がついてきたということなのでしょう。

何はともあれ、五嶋みどりさん。「みどり教育財団」でのご活躍、私も陰ながら応援しております。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371


※ Q先生:邱永漢(きゅう・えいかん)
第34回直木賞受賞。経済評論家としても有名。
ほぼ日刊イトイ新聞「ハイハイQさん」で、城戸克治はコラムを3年間連載する。

※ この記事の著者:主任薬剤師 城戸 克治 プロフィール