無用の長物と長らく考えられてきた盲腸に、じつは免疫物質の9割近くを作るという大切な役割りがあることが最近の医学では解明されてきています。

また逆に、今まで絶対に必要と考えられていたものが実はそれほど重要ではなかったり、取り過ぎると反対に害になったりする話も、いろいろなところでたびたび聞かされます。

現在、「CoQ10」が品切れ状態が続く大変なブームになっておりますが、前回にお話しましたビタミンEのようにCoQ10を無条件に大量摂取することは当分の間控えたほうがよいと私は思います。なぜなら、CoQ10もビタミンEと同じく、脂溶性の抗酸化物質の一種だからです。

脂溶性の物質というものは、身体の脂肪組織の中に溶け込んでしまう性質があるため、水溶性の物質に比べると身体の中に長期間残留しやすく効果も持続する代わりに、副作用がある場合はそちらのほうも身体に長く影響を及ぼします。

テレビや雑誌などで、CoQ10はまるで不老長寿の妙薬のように騒がれておりますが、人間の身体というものはそんなに単純なものではありません。例えば、酵素一つ取り上げても人体には3000以上の種類が存在するのです。CoQ10が人間にとって必要不可欠な物質であることは確かですが、たった一つの物質で不老長寿の問題が解決するような甘い期待はあまりされないほうが賢明でしょう。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371


※ Q先生:邱永漢(きゅう・えいかん)
第34回直木賞受賞。経済評論家としても有名。
ほぼ日刊イトイ新聞「ハイハイQさん」で、城戸克治はコラムを3年間連載する。

※ この記事の著者:主任薬剤師 城戸 克治 プロフィール