日本では、ビタミンEは老化や病気の原因になる活性酸素を消す働きがあるといわれて非常に人気がありますが、「ビタミンEの大量摂取は有害である」という研究結果が11月10日、アメリカの心臓学会で発表されました。

欧米と中国の約13万6000人の高齢者を対象に行われたその臨床試験(最長約8年)によると、毎日267ミリグラム以上のビタミンEを取り続けた場合の死亡率は、偽薬を飲んだ人に比べて約10%も高かったそうです。また摂取量がその半分以下だと、逆に死亡率が減少するという結果が出ています。

死亡率が高くなる原因は今のところ不明で、試験参加者の大半は他にもいろいろと持病があったため、研究者たちはさらなる研究が必要としていますが、「完全に無害と分かるまでは、ビタミンEの大量摂取は控えたほうがいい」とコメントしております。

少し私論になるかもしれませんが、このところ目の敵にばかりされている活性酸素などの「酸化物質」も本当は人間の身体にとって非常に重要なもので、あまり減らし過ぎると逆に害が出るのではないかと思うのです。長い年月を経て進化してきた人間の身体の中で作られるもので、一方的に害になるものなどおそらく存在しないのではないでしょうか。

※現在、日本人のビタミンEの所要量は成人男性1日10ミリグラム、女性8ミリグラムで、摂取上限は600ミリグラムとされています。通常の食事から取れるビタミンEの量は1日大体10ミリグラム程度ですが、健康食品などでは1粒300ミリグラム以上含む製品も市場に多数出回っており、注意が必要です。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

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※ Q先生:邱永漢(きゅう・えいかん)
第34回直木賞受賞。経済評論家としても有名。
ほぼ日刊イトイ新聞「ハイハイQさん」で、城戸克治はコラムを3年間連載する。

※ この記事の著者:主任薬剤師 城戸 克治 プロフィール