先日から、避難生活におけるエコノミークラス症候群の危険性についていろいろと書いておりますが、狭い車内での寝泊りや体育館や公民館など固い床の上での寝泊り生活はそれだけでなく、「クラッシュ症候群」という阪神大震災で大きな問題になった症状を引き起こす可能性があります。

クラッシュ症候群とは、手足や腹部などの筋肉が長時間圧迫されることによって、筋肉細胞が傷害や壊死を起こし筋肉内の多量のカリウムが流失して高カリウム血症になったり、筋肉を構成しているミオグロビンという
タンパク質が大量に遊離して腎臓の尿細管を詰まらせ急性の腎不全を生じた状態を指します。

クラッシュ症候群の初期の段階では、一般的に意識もしっかりしており血圧も正常で重篤感にも乏しいため、発見がむずかしいといわれていますが、尿が茶褐色に変色し量が減少してきたら、透析設備のある病院に早急に行かれることです。こうした状態をそのまま放置しておくと、多量のカリウムやミオグロビンが全身に広がって心臓や腎臓の機能を急激に悪化させます。

クラッシュ症候群を予防するには、体育館や公民館など固い板床の上で寝泊りをされる方の場合は、クッション性のある敷物を下にひいて寝てください。(体育用のマットレスや座布団などを利用してください)また、車内での寝泊りされている方の場合は、エコノミークラス症候群の予防法に準じてください。

『クラッシュ症候群の主な初期症状』

  • 運動、知覚麻痺が局所に起こる
  • 圧迫されていた筋肉部分が腫脹し広範囲に点状出血を生じる
  • 尿が茶褐色に変色し尿量が減少する
  • 軽度の筋肉痛や手足のしびれ、脱力感など。

クラッシュ症候群の場合では、治療を始めるまでの時間の長短が患者の命を大きく左右するとされています。つまり、症状に早く気がつけば大丈夫ということなのです。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371


※ Q先生:邱永漢(きゅう・えいかん)
第34回直木賞受賞。経済評論家としても有名。
ほぼ日刊イトイ新聞「ハイハイQさん」で、城戸克治はコラムを3年間連載する。

※ この記事の著者:主任薬剤師 城戸 克治 プロフィール