動物が進化する過程で、爬虫類などの変温動物から鳥類など恒温動物への進化は生物学上、特に画期的だったものとして記録されています。進化は、食べ物を効率よくエネルギーに代える方向に進むため、自ら体温を一定の温度に保ち生体内の酵素反応を高めることは、その目的を遂げるために最良で必要不可欠な方法であったのでしょう。
しかし、恒温動物への進化は体温を一定の温度に保つことで、ウィルスや細菌などの微生物にも増殖するのに最適な環境を与えてしまい、変温動物に比べてより厳密に外敵の侵入を防ぐ必要が出てきました。その結果、生み出されたものが「免疫の仕組み」で、自分の身体にとって異物かそうでないかの認識をすることが免疫の一番重要な役目になっています。
つまり一言で免疫の仕組みを説明すれば、警備保障会社の監視カメラのようなものです。外敵の侵入を発見すれば、ブザーを鳴らして警備員に不審者の侵入を知らせてくれます。ただし、監視が主な仕事なので、警備員としての働きはあまり多く望めません。
また一般に、免疫の仕組みは外敵侵入に対するすぐれた防御システムのように思われていますが、実際は意外に弱点が多く、ちょっとした精神的ストレスや生活環境などの変化で簡単に破綻してしまうことがあります。
従って現在、大ブレーク中の「免疫革命」の著者である安保先生が言われておられますように、ストレスを出来るだけ少なくすることは免疫力を高める上で理論上でも、非常に大切なことになります。
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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)
◆虎ノ門漢方堂◆
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◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。
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