毎日、3000~5000個程度のガン細胞が、私たちの体内で発生していると言われています。どうして、それだけ多くのガン細胞が発生しても大丈夫なのかと言いますと、私たちの身体の中に備わっている「免疫」「自然治癒力」の仕組みが、それらのガン細胞をすぐに発見して異物として排除してくれているからです。

しかし、免疫の仕組みは、生物が恒温動物になってから初めて獲得したシステムで、まだそれほど完全なものではないために、時々、リウマチや膠原病、アトピー性皮膚炎、花粉症などの免疫の不具合を引き起こしたりします。

また、免疫の働きは20才前後をピークにして急激に低下していきますが、自然治癒力のほうはあまり急激には衰えてこないため、20代や30代でガンに罹る人の割り合いはそれほど高いものにはなりません。

しかし、自然治癒力が何らかの原因で低下していた場合、異物を排除する機能があまりうまく働いてくれないために、ガン細胞の成長を抑え込むことができず、10年から20年ほどで直径数ミリから1センチ程度の診断可能な大きさのガンになってしまいます。これが、30代後半から40代中頃にかけて、ガンに罹る人の割り合いが徐々に増加してくる大きな原因の一つです。

※ガンの早期発見などと言いますが、実際のところは、ガンが診断可能な直径数ミリから1センチ程度の大きさに成長して漸く発見されたというべき性質のものです。つまり極端なことを言えば、ガンは私たちの身体の中に常に存在しており、健康とはガン細胞の発生とそれを抑える免疫力と自然治癒力の均衡の上に成り立っているものとも言えます。

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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)

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◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。

※この記事の著者、城戸克治のプロフィールはこちら