もし、あなたの舌の色が青紫色とか暗い紅色をしていて、さらに、しみのようなものが見られたり、舌の裏側の静脈が怒張していたりしたら、それは、かなり血の流れが悪くなっているということを示す注意信号です。(舌苔は白く薄い)・・・中医学的にいえば「於血(おけつ)」という状態です。
月経痛がひどい・月経に塊まりが混じる・目の下に隈ができやすい・顔色がどす黒いなどの血液の流れが悪くなって起こる症状が出てきます。痛みの場合では、同じ部分が刺すように痛むなどの特徴があります。また、脳梗塞や心筋梗塞・狭心症などの心疾患、ガンなどの三大成人病といわれる病気にも気をつける必要があるでしょう。
こんな場合、漢方薬では丹参(たんじん・・・サルビアの仲間の植物)や田七人参(でんしちにんじん)などの血液の粘度を下げたり、血栓の形成を防いだり、血栓を溶かしたりする作用を持つ生薬の含まれているものをよく使います。
食べ物でいえば、さんまやいわしなどの背の青い魚、酢のものなどがおすすめです。また、塩分の多いもの・油っこいものは血液の粘りを増しますから、取り過ぎには気をつけましょう。
※動物性の脂肪は悪くて魚の油はなぜ体に良いのかは、人間の体温と同じ温度では、前者は固形の状態であるが後者は液体の状態であると説明されたりします。つまり、体内に吸収されて血液中に入っても、液状だから血液の流れを邪魔しないという意味です。
また、スポーツをしている時やお風呂の前後、トイレの後などには水分の補給をして、血液の粘度が上がらないようにしましょう。適度な水分の補給は、ある意味ではどんな薬よりも「血液をサラサラにする」のに効果があります。しかも、安全でお金もかかりません。
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◆城戸宏美◆ プロフィール
元福井大学医学部付属病院看護師・登録販売者
(福井県立大学・武生高校卒)
◆虎ノ門漢方堂◆
〒915-0813 福井県越前市京町3-1-26
TEL 0778-22-2371
◆ この東洋医学のコラムは、虎ノ門漢方堂の薬剤師 城戸克治が、直木賞作家 邱永漢さんの依頼を受け、ほぼ日刊イトイ新聞の分家サイト「ハイハイQさん」に約3年間に渡り連載した医師/薬剤師向けの「中医学事始め」を一般の方向けにわかりやすく解説したものです。
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